原子力発電所

               HOME  災害 防犯 環境 立地 建物

災害















































 
柏崎刈羽原発

地震列島である日本に、55基もの原発が建っています。地球温暖化を考えると、今後も原発が増えることが予想されていますが、07年7月16日に起きた新潟中越沖地震で、柏崎刈羽原子力発電所において色々な問題が起き、原発の耐震性に対する不安が世界中を駆け巡りました。
7月18日現在での問題点を表にします。

1 変圧器で火災発生、しかも消火まで2時間以上かかった
2 1、以外の変圧器7台で油もれや固定ボルトの破損
3 消火用水の配管が破損し水が漏れる
4 低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶100本が倒れ付近の床から、放射性物質が検出された
5 通常外部に漏れる事の無い放射性物質、ヨウ素、クロム、コバルトなどが大気中から検出された
6 1〜5号機の排気用ダクトにずれがみつかった
7 6号機の使用済み燃料用プールから微量の放射性物質を含む水が少なくとも1.2m3海に流れ出した
8 6号機以外の使用済み燃料プールでも、水が溢れ、建屋最上階の床が水浸しになった
9 1号機の地下にある地震計で、横揺れが設計時の想定273ガルを大きく上回る680ガルを記録
10 施設の真下まで活断層が達している事がわからなかった

上表以外にも1〜7号機で計60件の機器の故障や破損が見つかっています。又、原発本体建屋以外の施設は耐震性をそれほど考慮していないようです(建築基準法上の耐震は確保)。

今回の地震は、
原発の耐震指針6.5を上回るマグニチュード6.8でした。07年7月18日に柏崎市長は東電に対して、安全が確認出来るまで柏崎刈羽原発の緊急使用停止命令を下しました。

志賀原発差し止め訴訟

世界中で起きる地震発生数の1割は、ここ日本に集中しています。立地条件としては極めて危険である場所に日本の原発はあるのです。
07年7月に起きた新潟中越沖地震で問題になった柏崎刈羽原発ではありますが、原発を問題提起したのは06年の
志賀原発運転差し止め判決からでした。
石川県志賀町にある北陸電力・志賀原発2号機の建設に対して99年8月、周辺住民ら135人が建設差し止めを求めて提訴したのです。そして06年3月15日に運転を開始したばかりの原発に対して金沢地裁は、06年3月24日、北陸電力に対して、志賀原発2号機の運転差し止めを命じました。

以下は判決理由です

1 直下地震の想定が小規模すぎる
2 邑知潟(おうちがた)断層帯による地震を考慮していない
3 地振動を想定する手法に妥当性がない

以上のように、耐震性に問題があるとの指摘がなされたのです。現行の耐震指針は78年に策定され、81年に一部の見直しがあるものの、95年の阪神大震災の教訓も反映されていません。

この判決の翌日、
読売新聞の社説では「あり得ない状況まで想定していては、どんな科学技術も成り立ち得ない」と批判しています。

しかし、05年8月
宮城沖で発生したM7.2の地震は、東北電力の女川原発での観測データーで、部分的に耐震指針の想定をうわまっていたのです。そして07年3月25日には志賀原発からわずか17kmほど離れて、M6.9能登半島地震が起きました。続いて07年7月の新潟中越沖地震M6.8でした。後の調査では、当初揺れは震度6強でしたが、刈羽原発敷地内では震度7であったことがわかっています。

07年12月、経済産業省の原子力安全・保安院は、
既存原発の耐震安全評価を、新潟中越沖地震と同程度のM6.8以上にする方針を出しました。又、原発の国際的な耐震安全基準の必要性から、国際原子力機関(IAEA)と共同で、新たな国際基準づくりに乗りだす事を決めています。

原発事故

最近、過去の原発事故がゾロゾロと発覚しています。

原発名 電力会社 場所 年代 事故内容
女川原発 東北 宮城県 88
06
1号機:定期検査中に制御棒脱落
制御棒の入れ間違い
放射能を含んだ水漏れ
浜岡原発 中部 静岡県 91
06
3号機:定期検査中に制御棒脱落
5号機:低圧タービン故障
美浜原発 関西 福井県 04 3号機:蒸気噴出事故
福島弟1 東京 福島県 78
79
80
84
3号機:定期検査中に臨界事故発生
5号機:定期検査中に制御棒脱落
2号機:定期検査中に制御棒脱落
2号機:原子炉緊急停止
福島弟2 東京 福島県 93 定期検査中に制御棒脱落
志賀 北陸 石川県 99
99
06
1号機:定期検査中に制御棒脱落
1号機:
臨界事故発生
2号機:タービンのヒビ割れ
柏崎刈羽 東京 新潟県 79
96
98
00
5号機:定期検査中に制御棒脱落
操作ミスで制御棒脱落
4号機:定期検査中に制御棒脱落
1号機:定期検査中に制御棒脱落
東海村ウラン加工施設   茨城県 99 臨界事故発生
日本原燃処理施設   青森県 07 施設の耐震設計ミス

原発で発電中は原子炉内では臨界状態になっています。運転中の操作ミスは安全対策が何重にもかかっていますが、志賀や福島で起きた点検中の臨界事故では、点検中の臨界状態は想定外ゆえに、安全管理の見直しが必要になります。

建物自体の問題を見ましょう。国家プロジェクトとして建設された、福井県敦賀市にある新型転換炉ふげん発電所は、現在廃炉に向けて準備中です。しかし、その外壁が
強度不足だったことが07年12月にわかりました。原因は施工不良とのこと。

他の危険性としては、09年4月以降、石川県の北陸電力志賀原発2号機で原子炉や核燃料貯蔵プールから、金属や布など
異物が相次いで発見されています。
経済産業省原子力安全・保安院 の原子力発電検査課長は「最悪の場合、燃料棒を傷付け、
放射性物質が漏れ出す可能性がある」と指摘します。実際、2号機では、外部への放射能漏れはなかったものの、高濃度の放射性ガスが出ています。

また、新潟県柏崎刈羽原発7号機で7月末、通常値を上回る放射線が検知されたのも、
異物が入り込み、燃料棒に小さな穴をあけたのが原因とみられているのです。


10年2月東京電力は、数ヶ所の原発で、福島県の放射性廃棄物を処理する排水管を
誤ってつないだ部分があり、放射性物質のトリチウムを含む水を放水していたと発表しました。
誤接続が見つかったのは福島第2原発21か所、福島第1原発5か所、新潟県の柏崎刈羽原発4か所。

放水に含まれる放射性物質の濃度は、最大でも国の基準値の4000分の1ですが、原子力安全・保安院は、周囲の環境への影響はないとしています。

 
日本の原発地図 日本の原発分布地図が見れます。

原発の揺れ想定

08年3月末、原発の直下や間近を活断層が通っている実態を、事業者による耐震再評価により明かとなりました。

事業者 原発名 再評価値 従来の想定 想定地震力
北海道 550 370  
東北 東通 450 375  
日本原燃 再処理工場 450 375  
東北 女川 580 375  
東京 福島第一 600 370  
東京 福島第ニ 600 370  
日本原子力 東海第ニ 600 380  
中部 浜岡 600 380  
東京 柏崎刈羽 未定 450  
北陸 志賀 600 490  
日本原子力 敦賀 650 532 M・6.9
原子力機構 もんじゅ 600 466  
関西 美浜 600 405 M・6.9
関西 大飯 600 405  
関西 高浜 550 370  
中国 島根 600 398  
四国 伊方 570 473  
九州 玄海 00 370  
九州 川内 540 372  

         単位:ガル(加速度の単位)

この結果、事業者による従来の
想定が甘かった事がはっきりしました。しかし、「元々余裕をみて設計しているので、耐震性は確保されている。」と、原子炉など重要機器の補強を迫られた原発はありませんでした。

08年5月、東電は刈羽原発の基準見直しとして、地震時の揺れ想定を建設時の450ガルの5倍にあたる
2280ガルとしました。ただ、地表に近い地盤が比較的柔らかく、地震の揺れが弱まるため、建物基礎部分に届く時の揺れは829ガル程度に減衰すると考えています。そのため東電は08年6月から1000ガルの揺れに耐えるよう、耐震補強工事をします。


11年1月、東京電力は、新潟県柏崎市の柏崎刈羽原子力発電所の原子炉停止機能が大きな地震の揺れでどこまで正常に働くか、東芝と共同で
実証実験することを決めました。

設定する地震の大きさは、震度6強を記録した
新潟県中越沖地震の1・5倍。制御棒は燃料に差し込むことで核分裂を抑える働きがありますが、たわみ具合によって入りづらくなる恐れがあります。実物の原子炉を再現し、これに、東芝が保有する起震台で揺れを加え、大地震に遭った状況をつくり出します。制御棒が、炉内に正常に入って緊急停止するかを確かめるのです。

11年3月の東日本大震災後、11年4月に宮城県沖で起きた
M7.1の余震で、宮城県石巻市の女川原子力発電所では国の耐震指針に基づく想定を上回る強い揺れを観測しました。

この余震では、同県内で震度6強を観測。東北電力によると、1号機地下2階の地震計で、上下方向の最大加速度476・3ガルを記録。06年の指針改定に伴って同原発の耐震性を再検証した際の想定は451ガルでした。


浜岡原発裁判

静岡県御前崎市にある浜岡原発の周辺住民らが「想定される東海地震の揺れに耐えられず危険だ」として、中部電力に1〜4号機の運転差し止めを求めた裁判で、07年10月26日静岡地裁は「耐震の安全性は確保されており、原告らの生命、身体が侵害される具体的な危険があるとは認められない」として、原告側の請求を棄却しました。

又、1〜4号機は新旧における国の
耐震設計審査指針を満たしているとして、東海地震と東南海、南海地震が連動した場合にたいしても安全であると言っています。さらに、中部電力に対する原告側の反論に説得力が薄いとの判断もあるようです。

しかし浜岡原発は、必ず起こるであろう大地震の
震源域の真上で運転している事自体、恐ろしいと思えます。

09年8月に静岡・駿河湾で起きた地震の際、浜岡原子力発電所5号機地下2階の地震計で強い揺れを記録。近くにある4号機や3号機に比べ、
3倍近い加速度だったため、同社が地下1500メートルまで掘削して調査。

その結果、5号機の地下300〜500メートルに、
地震の波を増幅しやすいレンズ状の堆積(たいせき)層が見つかり、10年3月、経済産業省原子力安全・保安院の審議会に報告しました。

建設前の掘削調査は地下300メートルまでだったため、今後は耐震性の評価を見直す必要がありそうです。(読売)

原発点検漏れ

10年4月、中国電力の島根原発1、2号機(松江市)で計123件の点検漏れがある事がわかりました。同社は定期検査で停止中の2号機に加え、1号機の運転も停止し。点検漏れを理由とする原発の停止は前例がありません。

本来は06年に交換したはずの安全上、重要な装置のモーターが、09年6月の定期検査で交換されていないことが分かりました。改めて過去の点検計画表と照合した結果、定められた分解点検や消耗品の交換がされていないケースが
多数見つかり、1号機が稼働した74年以来、点検や交換をしたのかどうか分からない部品もあるといいます。

関西電力美浜原発で04年、2次系配管から水蒸気が漏れ、作業員5人が死亡する事故でも、破損個所は長年点検リストから漏れており、稼働以来
28年間も交換されていなかったのです。

当初は30〜40年が寿命とされていた原発ですが、敦賀原発1号機が10年3月、運転40年を迎えました。電力会社は、安全上重要な機器は定期的に点検し、適切に交換するなどで60年程度の運転は可能としていますが、検査への信頼が前提です。

日本の原発は地震や検査による運転停止が多く稼働率は
60%台と米国や韓国と比べ低い。これを80%台以上に高めたいという願いが電力業界にはありますが、どうでしょう。


10年6月
原子力安全・保安院は、全国54基の原発ごとに、検査など安全を確保するための電力会社の作業(保安活動)を5段階で評価した「成績表」を初 めて公表しました。「重要な課題あり」は、火災が9件起きた柏崎刈羽原発1〜7号機など21基ありました。

10年7月には3月に大量の点検漏れが発覚した中国電力の島根原発1・2 号機(松江市)について、全国で初めて
「許容できない課題あり」とする最低ランクの評価を下しました。島根原発は、点検漏れの発覚後、運転を停止。再開のめどは立っていません。

福島第一原子力発電所災害

11年3月11日、東日本大地震により、東京電力福島第一原子力発電所1〜3号機で、地震によって運転が自動停止した後、水を注入して冷却する「緊急炉心冷却装置(ECCS)」、除熱装置を停電時に稼働させる非常電源が故障するトラブルが発生しました。政府は、11日夜、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力緊急事態を宣言。

地震と津波によりかなりの損害をうけたのです。1号機から6号機の現状は11年3月21日14時現在。

1号機 3月12日に水素爆発、上部が吹き飛ぶ。
燃料棒::冷却装置作動せず、露出。
3月12日、海水注入開始。
2号機 3月15日、圧力抑制室損傷。
燃料棒::冷却装置作動せず、露出。
3月14日、海水注入開始。
3号機 3月14日、水素爆発で大きく損傷。
燃料棒::冷却装置作動せず、露出。
3月13日、海水注入開始。
4号機 3月15日、爆発し出火、屋根の一部や側面に穴。 地震発生時::定期点検のため停止中。
5号機 3月19日、プール冷却ポンプ稼動。 地震発生時::定期点検のため停止中。
6号機 3月20日、水温下がり安定。 地震発生時::定期点検のため停止中。

問題は、全国の原子力発電所が、東日本巨大地震で発生した10m級の津波を想定してなく、想定を超えた津波に襲われると福島第一原子力発電所と同様の電源喪失に陥る恐れがあります。

津波の想定は最高でも北海道電力泊原発の
9・8mで、最も低い関西電力高浜原発3、4号機は0・74mです。ただ、各社は、非常用電源を置く敷地が津波の想定より高いことから「安全」と判断しています。しかし、東日本巨大地震による津波では非常用の発電機を海水で冷やすポンプや熱交換機が水没で故障し、一部が使用不能になったのです。

原発と活断層

国は活断層上に原発を設置することを禁じています。2012年7月、経済産業省原子力安全・保安院の調査で北陸電力志賀原発(石川県)と関西電力大飯原発(福井県)の敷地内の断層が活断層である可能性が高いことが判明。

また、志賀原発では、保安院が
耐震性評価で活断層を見落としていたとみられています。活断層と確認されれば志賀原発は「立地不適格」となる可能性もあります。

志賀原発で問題となっているのは、1号機原子炉建屋の真下にある
「S−1断層」。北陸電は1997年の2号機増設申請時に掘削調査を実施し「活動性はない」としていました。

志賀原発は点検で停止中。活断層と確認されれば再稼働は難しく、廃炉を迫られる可能性も出てきます。

大飯原発では敷地内を走る
「F−6破砕帯」です。専門家が近くの活断層と連動して動く可能性を警告していて、関電が提出した資料では「活断層を否定できない」として再調査となりました。

原発立地の適格性をめぐっては日本原子力発電敦賀原発(福井県)で2012年4月、原子炉直下の
破砕帯が動く可能性が保安院の調査で判明し、原電が確認のための調査を急いでいます。

2012年8月、経済産業省原子力安全・保安院は、九州電力川内原発(鹿児島県)九電玄海原発(佐賀県)、四国電力伊方原発(愛媛県)、日本原子力発電東海第二原発(茨城県)、東北電力女川原発(宮城県)の5原発を「敷地内に活断層がない」と、結論付けました。



TOP
 
 HOME  災害 防犯 環境 立地 建物