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火災発生件数

総務省消防庁によると、2016年における全火災件数は36831件あり、約1日に131件、11分に1件の火災が発生した計算になります。この全火災件数の中で、建物火災は20991件(52%)でした。

2013年の全国の火災による損害は約907億円でした。
毎日約2億5千万円が灰になっています。建物火災における県別での発生件数をランキング表にしました(2016年)

  都道府県 発生件数
1 東京都 2780
2 大阪府 1436
3 神奈川県 1176
4 北海道 1137
5 愛知県 1086
6 埼玉県 1052
7 千葉県 927
8 兵庫県 827
9 福岡県 785
10 静岡県 551


  都道府県 発生件数
38 山形県 190
39 香川県 187
41 高知県 157
41 山梨県 156
42 徳島県 140
43 富山県 138
44 石川県 132
45 佐賀県 127
46 鳥取県 108
47 福井県 106


建物火災の中で、住宅火災は11354件(54.1%)にのぼります。住宅火災の件数比率を見ましょう。(2016年)

用途別 件数 住宅火災件数における比率
一般住宅 7504 66.0%
共同住宅 3373 29.7%
併用住宅 477 4.3%

出火原因ごとの火災発生状況を全火災から見ると放火が最も多いですが、住宅火災だけをまとめます。
(2016年)

  原因 構成比
1 こんろ 18.4%
2 たばこ 12.8%
3 放火 7.3%
4 ストーブ 8.2%
5 配線器具 4.6%
6 電灯、電話等の配線 4.2%
7 電気機器 3.3%
8 放火の疑い 3.6%
9 灯火 2.8%
10 たき火 1.0%


 
製品欠陥事故による火災を参照下さい。


もう一つの問題として、総務省消防庁は全国に約800ある市町村の消防本部、消防局の大規模な統合を進める方向です。
小規模消防署は、一戸建ての火事に出動しても延焼を食い止めるのがやっとで、
第2次出動に対応出来ないケースが多いし、財政面の不安も大きいようです。

耐火材料偽装

07年10月30日国土交通省は、建材メーカーのニチアスが天井や防火壁などの耐火性能を偽って出荷していたと発表しました。

ニチアスが性能を偽っていたのは、
軒裏天井や耐火構造の防火壁によく使われる、繊維混入ケイ酸カルシウム板を使った耐火材料です。耐火材は国の認定が必要な為、耐火性能試験で不正に水を含ませる方法で国交相の認定を不正に取得していたといいます。

特に、ニチアス最大の取引先であり、使用されていた旭化成ホームズの
ヘーベルハウス住宅は、首都圏を中心に01年7月以降の約3万8000棟にも上るようです。そのほかにも他の住宅メーカーやオフィスビルなど、合わせて約10万棟の建物に使用されているようです。

08年4月には、旭化成と住宅事業子会社の
旭化成ホームズでも、2001年7月から06年7月に販売した戸建て住宅など約2万2000棟で、火災の延焼を1時間抑制するという「1時間準耐火構造」を保証していた軒裏天井の仕様に不備があったことを発表しました。ただ建築基準法など法律上の問題はないといいますが、疑問です。

以下に判明している他のメーカーを挙げます

東洋ゴム工業 壁、天井の断熱パネル 大臣認定を不正取得
日本軽金属   大臣認定に不正取得
YKK AP   大臣認定に不正取得
日本防災化学研究所   大臣認定に不正取得
イトーキ 間仕切壁 31年前から不正販売
積水化成品工業   不正に販売
くろがね工作所   不正に販売
エムアールシー・デュポン   不正に販売
三菱樹脂 金属板 不正に販売
三菱レイヨン    
大建工業 防火外壁  
トヨタ自動車 軽量鉄骨造外壁  

08年5月、国土交通省は防耐火関連の建材偽装問題に関する実態調査の第3報を発表しました。不正受験や不正販売などの疑義があるとの報告があったものは、合計50社、130件になりました。
このうち上田第三木材合資会社、協同組合長野県信州からまつ工業会、三菱レイヨンは、再試験などを予定しています。
サンスター技研、タキロン、北越製紙、積水樹脂プラメタル、グレイスコーポレーションは、すでに再試験を受験し、合格済みです。
改修対象が1534棟と最も多いイトーキは、実際に販売した仕様での再試験の結果、間仕切り壁や片引き戸など7件と、トヨタ自動車の軽量鉄骨造外壁が再試験で
不合格となっています。耐火性能が十分でなかった大建工業の外壁工法「じかかべ」は認定を取り消しとなりました。

09年1月、国土交通省はエクセルシャノンら5社のサッシメーカーが、建築基準法上の
防火性能に満たない樹脂製サッシを販売していたと発表しました。5社は、申請と異なる試験体により、性能試験に合格とし、27種類、合計80件の大臣認定を不正取得したのです。

樹脂製サッシは、普通のサッシよりも
断熱性があり、戸建て住宅を中心に北海道や東北などで約5,500棟ほど使われています。その後エクセルシャノンと親会社のトクヤマは95年から国の認定を受けるための偽装工作をし、仕様よりも性能の劣る製品を出荷し続けていたことを明らかにしました。

09年8月、国交省によると、社団法人・カーテンウォール・防火開口部協会が国の認定を受け、大手を含む約15社で製造した
防火窓や防火戸が耐火性能の仕様と異なっていた事がわかりました。全国の住宅やマンション、ビルの計1万棟以上で使われているもよう。国交省では、現時点で交換は必要ないとしていますが、どうでしょうか。

そして、プレハブ住宅において、準耐火構造に適合する仕様の屋根に適合しないプレハブ住宅28棟を建築したとして、国土交通省は09年8月パナホームの型式部材等製造者の
認証を取り消したことを発表しました。


10年10月、国土交通省は建材メーカー3社が出荷した窓やドア、
外壁が国の耐火基準を下回り、戸建て住宅やオフィスビルなど計約7600棟で改修が必要になったと発表しました。

このうち7000棟は主に戸建て住宅で、三協立山アルミが2005年8月以降に出荷した引き窓に採用。国への届け出では、火災時に室内側の樹脂が溶けてもガラスは外れないとされていましたが、耐火実験ではガラスが外れたのです。場所によっては
建築基準法違反となります。

このほか、火災時にエレベーターの乗り場で
延焼を防ぐ耐火スクリーンを出荷しているユニチカ設備技術は、国に届け出た部材と強度の異なる鋼材を使っていたことが判明。約4600棟のマンションや病院などに使われており、改修が必要になるおそれがあるといいます。

11年1月、国土交通省の調査によると、サッシメーカーの
「トステム」が販売し、全国約1万棟の建物で使用されているアルミサッシが、建築基準法で定める防火基準を満たしていなかったことがわかりました。

このサッシは火災時の延焼を防ぐため、家屋の内外から一定程度の熱を受けても窓ガラスが
20分間脱落しないという条件で大臣認定を受けていますが、抜き打ち調査では8分50秒〜12分15秒でガラスが脱落。同省は、同社に無償改修などの対策を講じるよう指導。

火事でも大丈夫なように使われていた耐火材料が性能不可では、安心して眠れません。

天ぷら火災

住宅火災での出火場所は「居室等」が909件-40%(東京消防庁、06年)と最も多いのですが、「台所等」も599件-26.4%と、全体の1/4以上を占めます。また、着火したもの別ですと、「天ぷら油」が305件-13.4%と、「紙類」306件-13.5%に次いで多いのです。

家庭用の2口コンロで天ぷら油をフライパンで温め直していて、10分ほど目を離していたら火は
1m以上も燃え上がったという火災が増えています東京消防庁が06年に起きた天ぷら油火災の原因を表にしました。

他の部屋で仕事や片づけ 92件
テレビ、新聞、本を読んでいた 53件
雑談、来客があった 41件

消防庁によると、てんぷら油は白い煙が出始めたら要注意だそうです。天ぷら油は、コンロの火が天ぷら油に引火することで発火するように思いますが、実際には天ぷら油の温度が360〜380℃まで上昇すると、油自体が発火します。

ちなみに、06年度全国でのこんろによる火事は5990件。その仲で
「消し忘れが4160件で69%を占め、「過熱」541件9%、「可燃物の接触」183件3%です。

日本ガス石油機器工業会などの業界は05年2〜3口のコンロについて、最低1口には加熱防止装置を付けるよう自主基準を付けました。しかし結果それでは十分でないことがわかったのです。

京都市消防局の調べで、03〜05年の天ぷらなべ火災では3件に1件は加熱防止装置コンロの
装置が付いていない所を使用していたのです。06年東京消防庁の調べでは装置付きコンロから62件の火災が起きていました。その理由は

装置の存在を知らなかった
いつも使いやすい手前を使っていた
火力の強いバーナーを使っていた

それにより08年春からガスコンロの全バーナーに「調理油過熱防止装置」(250度)が標準装備となったのです。買い替えは早めに。

ただ、天ぷら油と同様に、
グリル調理でも火災の危険性があります。自動消火機能が付いていないグリルでは、受け皿の油かす等も過熱され続け、火災となってしまう例が報告されています。これには、使用するたびにグリル内を手入れし、可燃性の油かす等を取り除く必要があります。



電気コンロの火災

ワンルームによくある長さ90cm程のミニキッチン。そこに付いている電気ヒーターのコンロが問題となっています。77〜88年(一部メーカーは96年製まで)に松下電器産業など4社が製造し、9社の小型キッチンに据え付けられた、つまみが出ているタイプの一口型電気コンロです。

体がふれるなどで、
気付かないうちにスイッチが入るケースがあり、周囲に可燃物が置かれている場合には火災が起きることがあります。85年以降に電気コンロによる火災が394件起き、うち6件は人身事故でした。92年には2件で死者も出ています。コンロの上に新聞紙を置くと約2分で火があがると言われています。


07年12月には、留守宅で日頃
使っていなかったコンロから出火し、上に置いてあったトイレットペーパーや、詰め替え洗剤などが焼ける火災が起きています。複数口の製品についても調査進めば、件数はさらに増えるとみられています。

08年度の事故数は16件報告されています。00〜04年をピークとしてしだいには少なくなりつつありますが、その改修が08年10月時点でまだ8割ていどで、メーカー10社(サンウエーブ工業など)で約7万2千台が
未改修です。

レンズ状の物が危ない

凹凸製の鏡、ペットボトル、老眼鏡、ステンレス製のボウル、水槽などレンズ状のものが発火源となる火事があります。その事例を紹介します。

1 木造2階建のベランダに干してあった風呂敷がステンレス製のボウルに落ち、その内側で反射した太陽光が風呂敷上で焦点を結んで発火し、隣家のトイを燃やす
2 鉄骨3階建マンションの部屋に置いてあった老眼鏡が原因となり、新聞紙から出火し約60u焼く

東京消防庁は(1)と同様の実験を行なったところ、わずか3秒で風呂敷から煙が上がり、約5分後に出火しました。
レンズ状のものが原因となる火災は、日差しの強さではなく、
太陽の高度が問題です。太陽の高度が低く、部屋の中まで光が届く冬場の時期が注意を要するのです。
近年の住宅は、大きい窓やステンレスなどの金属製家具などが多いため、窓の位置をチェックされたし。


ここで、余談ですが、
イギリスのロンドン中心部で、37階建てオフィスビルの「フライスクレーパー(揚げ物を調理できる超高層)」があります。8月下旬ごろ、晴れた日の正午を挟む2時間ほど、ビルの南側にある街区の一角が異様に明るくなるのです。

英紙「タイムズ」は周辺の気温が45℃を超えたと伝えました。付近に止めてあった数台の車の外板が溶けてゆがむなどの被害も生じました。地元テレビ局のリポーターは、太陽光で熱したフライパンで目玉焼きをつくって見せたのです。

これは、
凹面鏡のようになったガラスカーテンウオールの外壁に反射した太陽光が集まるのが原因です。外装には、表面を金属膜でコーティングして断熱性を高めた複層ガラスを使用。

設計は東京都にある「東京国際フォーラム」の設計なども手掛けた建築事務所です。今後の対策が待たれます。

コンセントが危ない

IT社会になって、コンセントからの配線は複雑を極めています。そのコンセントは概ね机の裏側に多く、ホコリだまりとなっています。

図のようにコンセントとプラグの間のスキマに
ホコリがたまっている事がよくありますが、ここが問題なのです。

そのホコリが空気中の水分を吸収しプラグの両刃間に
微電流が流れることになります。そのうちプラグ表面に炭化導電路(トラック)が出来、発熱し発火してしまいます。これがトラッキング現象です。掃除はマメに!


11年5月、名古屋市瑞穂区で住宅火災があり、7人が死傷、内5人が死亡しました。
愛知県警瑞穂署によると、火元とみられる2階南東の8畳間には、パソコン3台が机の上にあり、机の下には
延長コードなどが折り重なり、ひとかたまりになっていて、その下の床に焦げ跡があったため、県警は、コードが過熱して発火したとみています。

製品評価技術基盤機構(NITE)によると、通電しているコードは、電線の電気抵抗で熱を持ちます。束ねて使うと、この熱が逃げにくくなって高温になり、被覆が溶けてショートすることがあるといいます。

さらに、束ねることでコードがねじれたり曲がっていたりすると、その部分の被覆が弱くなるうえ、内部で電線が切れかかり、
ショートしやすくなるのです。
県警は、これらのコードが過熱し、ショートして出た火種が、たまった
ほこりなどに引火して徐々に燃え広がったとみています。

低温着火


ある飲食店の厨房において、右図のようなコンロ台で煮物をしていた時、
ステンレス板の下にある木部から出火しました。この場合は、コンロ台と壁との距離が近くにあったため、過熱伝導により、設置して2週間後にも関わらず、火事を起こしました。このような例はよくあるのです。

しかし、一般の住宅においても火事になった例はあります。いつもコンロの火を受けて、壁下地の木材は含有水分量が少なくなります。そのうちに乾燥が進み
木材が炭化し、熱が加わると着火するようになるのです。

通常、木材は400〜500℃で燃えますが、上記の状況では、150〜200℃で着火します。これを
「低温着火」と言います。見た目では内部の木材の状況がわかりませんので、油断は出来ません。

2017年8月の築地火災の原因と言われている
「熱伝導加熱」が、これに当たります。

判断としては、コンロ台に火をつけていないときに、
壁をさわって熱いようであれば危険な状態であると判断できます。

この他には、
仏壇のローソクの熱が天井裏に伝わり出火した例、あるいは、ダウンライトの熱で出火した例などもあります。

危険なライター

09年12月、ライターを使った子どもの火遊びによる火災が、99〜08年の10年間に東京都で511件起きていたことが、都と東京消防庁の調査で分かりました。火災による死者は7人、負傷者は208人。

面白半分にライターをいじっているうちに大火災になり、
幼児自身が逃げ遅れるケースが多いらしい。09年12月に水戸市で起きた2歳と1歳の兄妹が死亡した火災でも火元でライターが見つかりました。

ただ、消費者庁はこうした情報を収集していなかったのです。いたずらによる火災は、
報告の対象外となっています。

欧米では、スイッチを複数同時に押さないと着火できなかったり、子どもには
使いにくい構造にすることを義務づけている国が多いという。

東京都は、消費者庁と経済産業省に危険なライターを法規制するよう要望を行いました。

暖房器具の誤使用

経済産業省所管の製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))の調によると、04-08年度、暖房器具の誤使用・不注意による事故で、169人が亡くなり、重傷60人、軽傷388人と報告されました。

製 品 件数 死者数
 石油ストーブ 511 82
 電気ストーブ 275 76
 石油温風暖房機 76 9
 ガスストーブ 16 2
 ガス温風暖房機 15 0
 電気温風暖房機 10 0


08年年2月、高齢女性がタンクを本体にセットしようとした際、ネジ式キャップの締め方が緩かったため、こぼれた灯油に火がついて軽いけがを負った事故など給油中にタンクからこぼれた灯油に火がついた事例が目立っています。

そこで09年4月以降に製造された石油ストーブは、給油時に火が消える装置を付けることや、キャップが閉まったことが音や目、手の感触で確認できることが義務づけられました。

そのほか、暖房器具に洗濯物や布団、バスローブなどが触れて火が出たり、近くにあったスプレー缶が暖房器具の熱で爆発したりした事故も。また、男児が石油温風機の空気取り入れ口に触れて重いやけどを負ったケースなど。

危険なダウンライト

2006年7月〜2008年6月に、ダウンライトが原因での火災が、6件、2011年から2015年にかけて47件発生し、そのうち照明の熱によって直下に置かれた布団や衣類などから出火した事例が26件も発生しています。

火災理由としては、
「可燃物が接触する」が 21 件(44.7%)と最も多く、次いで、電球の締め付け不足による「金属の接触部が過熱する」が8 件(17.0%)、紙や衣類がダウンライトに過度に近づき、電球の熱を長時間受けたことによる「放射を受けて発火する」が4 件(8.5%)となっています。

東京消防庁が白熱電球100Wのダウンライト直下に真綿布団を置いて実験したところ、点灯後10分で真綿布団から発煙し、約1時間後には発火した。

あるホテルでは、
天井裏断熱材のグラスウールが一面敷きつめてありました。そのグラスウールにダウンライトの金属製カバーが接触しグラスウール表面のアルミ箔が変色していました。

グラスウールを包むアルミ箔の薄い紙が
ダウンライトの発する熱により約30cm四方が焼け焦げていました。築3年経過しており、その間にダウンライトの熱によって周囲が燃えやすい状態になり、発火したものとみられます。

これは、断熱材の施工に対応していないタイプのダウンライトを選択していた事、そして天井裏の設計を誤ったケースが考えられます。

東京麹町のマンションでは、クローゼット内での火災が起きました。出火原因は、クローゼット内に収納ケースを積み重ね、その上にバッグ類を置いていたため、ダウンライトと
可燃物との距離が近すぎ、時間の経過とともに、ダウンライトで過熱されたバッグが溶融し、バッグ内の可燃物に着火し出火したものです。

クローゼット内のダウンライトは、使用時以外はライトの
電源を切り、またライトに近接して可燃物を置かない事です。

危険なLED

LED照明だから安心というわけではありません。「通常LED照明の放熱部は最高で50℃前後ですが、LED照明の照射部が衣類などで塞がれると100℃近くまで温度上昇することがあり、火災の危険性が高まります。

東京消防庁の調べでは、
LEDによる火災は2013年から2015年にかけて24件起きています。

LEDによる火災の特徴は、白熱電球の火災で目立つガラス球部分からの出火はほとんどありませんが、トラッキングが10件、電線のショートが6件と、多くは電源コードや基盤などの電気部品を原因としています。

日本照明工業会・技術部担当部長さんによると、LED照明は長期間使用しているうちに絶縁不良を起こし、過熱して火災に至ることがあるので、
10年を目安に交換するのが望ましいようです。

LED照明は熱を発しないという誤解が一部にありますが、光に含まれる熱は少ないものの放熱部から発する熱は少なくなく、電気回路のトラブルが生じる可能性もあります。

2016年7月と8月に東京都内と横浜市内で、住宅や店舗兼用事務所などで蛍光灯タイプの直管型LEDランプを原因とする計
3件の火災が発生。

いずれも直管型の蛍光灯で使われている「G13」という口金の直管型LEDランプが取り付けられていた。3件ともぼやで収まりました。

原因は、蛍光灯用照明器具の点灯方式と直管型LEDランプの
種別が適合していなかったことです。
蛍光灯照明器具には「スタータ形」、「ラピッドスタート形」、「インバータ形」の3つの点灯方式があります。このうち住宅ではグロースタータ形とインバータ形が主流で、オフィスではラピッドスタート形とインバータ形が中心です。

いずれも、方式に合った蛍光灯や直管型LEDランプを取り付けないと正しく動作しませんが、。蛍光灯の場合、照明器具と点灯方式が合っていなくても、点灯に時間がかかる程度で実用上はほぼ問題なく、発火する危険性もないのです。

ところが、直管型LEDランプの場合、方式の異なる組み合わせで使用すると、内部の部品に過電圧がかかって過電流が流れ込み、部品が過熱して出火する恐れがあります。

一連の火災は、いずれもラピッドスタート形専用の直管型LEDランプを、インバータ形やグロースタータ形の蛍光灯照明器具に誤って設置したことなどから出火。火元になった照明器具はガラス管全体が黒くなり、
樹脂製のカバーが溶けていました。

この直管型LEDランプの主要なターゲットはオフィス。そのためラピッドスタート形とインバータ形に対応した直管型LEDランプが多い。こうしたこともあって、グロースタータ形の器具が多い住宅では、特に点灯方式の不適合が起こりやすいのです。

今回の火災のなかにも、既設の蛍光灯がラピッドスタート形であったことから、照明器具もラピッドスタート形と早合点し、ラピッドスタート形専用の直管LEDランプを購入して
誤使用につながった事例もありました。

泡消防車

07年冬、北九州市でビル火災がありましたが、その時活躍したのが泡タイプの消防車。現場に向かった消防士は「少量の水で消火でき、階下に水漏れもほとんどなかった」と語っています。

1995年の阪神大震災で、水道管が破れて消火栓に水が送れず、消火活動が難しかったことを知り、消防車の国内シェア約5割の最大手
モリタは、泡消防車の開発に乗り出しました。

開発した泡消防車は、せっけんに似た独自の薬を水に混ぜ、圧縮機で空気を送り込んで泡にしたものをポンプで放水口から噴き出す。泡が酸素をさえぎり火を消す。

泡は軽いため、放水口を持って動きやすい。600リットルのタンクを持つ泡消防車は、1500リットルの水を積める従来の
「水槽車」7台分の消火能力があるといいます。

モリタは圧縮機も独自開発し、木造が多い日本に合わせ、木にしみこみやすい薄い泡から、隣家の壁に吹き付けて延焼を防ぐためのシェービングフォーム状の泡まで、泡の硬さを現場で調節できるようにしたのです。今後の火事に期待できます。

火災警報器の効果

10年版の消防白書によると、住宅用の火災警報器の普及率は2016年6月時点の設置状況は、条例適合率が全国平均で66.5%です。

10年4月、福島県大玉村で深夜、お年寄り夫婦の家の廊下に設置してあった火災警報器が鳴りました。風呂のかまど付近から出火し、2階建ての木造住宅は全焼。しかし、警報器のおかげで、妻が別の部屋で寝ていた夫を起こしてともに屋外に逃げ、夫婦は無事だった例があります。

また、隣の家の警報音に気づき、開いていたドアから入ってガスを止めて火災を防いだケースもあります。総務省消防庁には、住宅用の火災警報器が効果を発揮した事例が10年になって
約120件寄せられています。総務省消防庁は、07〜09年の失火を原因とした約4万4千件の住宅火災を分析。

その結果、100件当たりの死者数は、設置してなかった場合の
7.5人に対して、設置してあった場合は4.7人でした。損害額や焼失面積も、設置してあった場合はほぼ半減していたのです。

課題は、警報音が聞こえない耳が不自由な人への対策。音だけの警報器は1台4千円程度からありますが、ストロボなど光も発するタイプは2倍以上の値段。聴覚障害者の家庭への設置率は
2%程度にとどまっています。

住警器の設置は寝室と階段(一部)だけより、全居室と台所、階段(全箇所)のほうが当然効果的です。全箇所の設置を条例で義務付けている東京都で2016年、住宅火災での死者発生率を調べたところ、一部だけの場合が
6.7%、全箇所の場合は3.2%と、2倍以上の差になりました。

新築住宅への設置が義務付けられてから10年が過ぎ、電池が切れたり、老朽化して警報が鳴らなくなったりすることも懸念され、住宅会社は全箇所への設置を顧客に勧めるとともに、既存の住警器の点検も必要です。

続きは 火事の怖い現実 火災保険 製品欠陥事故による火災



 

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