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1980年代の後半、超高層ビルへの需要が高まり、普通のコンクリートより強度のある高強度コンクリートが開発され、鉄筋コンクリート造による超高層ビルが建ち始めました。
ところがその後、「耐火性」に注目が集まった結果、高強度コンクリートは「耐火性」に問題がある事がわかったのです。
それまでの高強度コンクリートの特徴は粒子の緻密性にあり、表面が200℃で15分程度経つと、内部の水蒸気が膨脹し、その逃げ場が無くなるため「コンクリートの爆裂」現象が起き、表面のコンクリートが剥がれ落ち、内部の鉄筋があらわになるのです。こうなると、建物自体の強度は当然弱くなります。
そのため建設業界は研究を重ね現在では爆裂の起きないコンクリートの開発に成功しています。具体的には、外国からのヒントを得てコンクリートの中にポリプロピレンの繊維を混入する事により、水蒸気の逃げ場を確保することができたのです。
そうして日本初の耐火超強度コンクリートによる32階建てのマンションが01年に採用されました。
1990年前後の鉄筋コンクリート造による超高層マンションなどは火事に対する警戒が必要なのです。
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06年東京都江東区辰巳にある32階建ての高層マンションで最上階の部屋から出火。火事は100u程の住戸の半分ほどを焼いて消し止められました。
住民約150人ほどが一時避難しましたが、だれもケガをせずに済んだようでした。この時、3基あったエレベーターの2基が止まっていたため残りの1基に住民が殺到し、下で待っていた消防士が現場まで登れず、エレベーターが空くのを待っていた模様。
避難の基本は避難階段で逃げるか、バルコニーにある避難ハッチを使い下に下りるかのいずれかです。エレベーターで逃げる場合は途中で止まって閉じ込められる可能性があるからです。
ただ、避難ハッチの使い方を知っている人は殆どいないでしょうし、高い所からハシゴを下りるのはかなりの恐怖をおぼえるかもしれません。あるいは、避難ハッチの存在さえ知らないひと、そして、ハッチの上に重たい物を載せている住宅も見かけます。
なによりも、子供や年よりの人は、何十階もハッチや階段を素早くは下りられません。高層住宅の安全、避難に対しては、今の建築基準法は無防備なのです。
この火事で火元が最上階だったのが不幸中の幸だったでしょう。もし途中階であったなら「タワーリングインフェルノ」の再現となったかもしれません。
消火後はどうでしょうか、大量のまかれた水は下階に漏れて行きます。コンクリートの床はスキマをたどって水が漏れます。家具や、内装は台無しになりますが、その責任は火元にはないのだから、とんでもありません。
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マンションにおいて、上階から下階に延焼した事例があります。
15階建てマンションの13階から出火し、そのバルコニー側の窓ガラスが割れ、そこで燃えたものが8階のバルコニー手すりに干してあった布団に燃え移りました。布団の炎の勢いでバルコニーの窓ガラスが割れ、住宅内まで炎が侵入。
ほかの事例では、出火住戸のバルコニーから噴出した炎で隣戸のガラスが割れて隣戸へ延焼。そこから今度は上階へと延焼が続いていきます。
網の入ったガラスでは割れても落下しにくいのですが、網のないガラスは炎の勢いで割れ落下し、炎が侵入しやすいのです。
それと、バルコニーが物置のように物で溢れているのをよく見掛けますが、他の住戸からの延焼の可能性があり、また自宅から出火した場合でも、バルコニーの可燃物が燃えて、炎を大きくし、他の住戸に延焼しやすいのです。
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06年6月から住宅用火災警報器の設置が義務付けられてから、その住宅用火災警報器を付けているにも関わらず死亡するケースが多く出ています。
09年1月富山県南砺市の木造2階建てのケースを見ます。1階と2階にそれぞれ就眠していたところ、1階からの出火でしたが逃げ遅れて6人が死亡しました。
この住宅の火災警報器は煙を感知した部屋だけで鳴るタイプでした。警報音は70デシベル以上とされますが、同じ部屋の中なら気づくが、離れた部屋なら気づきにくいとされます。
また同じ09年1月に千葉県松戸市の団地火災のケースです。和室2室と台所の3ヶ所に住宅用火災警報器が設置されていましたが、結果子供3人が死亡。ここでは、外に鳴り響く警報ボタンがありましたが、ボタンは子供たちの身長よりも高い所にあったのです。
住宅火災警報器の普及が伸びていません。09年末で2/3の住宅しか設置出来ていません。東京都は65.8%です。一番普及しているのは、宮城県の74.7%。
世界の大都市における火災による犠牲者数
| 都市 |
人 |
| ニューヨーク |
11.8 |
| ロンドン |
7.3 |
| 東京23区 |
12.7 |
消防白書 (人口100万人当たり)
アメリカでは70年代、年間6000人を超す住宅火災の犠牲者を出していましたが、その後警報器を設置する世帯が9割を超え、死者は3000人程度までに半減しました。イギリスでも警報器の導入で犠牲者の数が減りました。
欧米ではさらに、子供の火遊びによる火災を防ぐためのライター規制や、ソファー、カーテンの防炎対策なども日本より進んでいます。
ちなみに、住宅用火災警報器は1個4000円程度。各部屋連動式は5〜6000円ほど、また外部に音を鳴らす補助警報装置は3000円程度です。
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09年6月、大阪府吹田市の府営千里古江台住宅の1棟で、4階と5階の一部が燃える火事がありました。その後大阪府の調査で、4階の火元の部屋から5階に延焼したのは46年前の施工不良が原因だったと発表しました。
火災があった棟は63年に完成した鉄筋コンクリート5階建て住宅で、吹田市消防本部では、火元の部屋の押し入れの天井と5階の床に穴があり、ここから燃え広がったと判断したのです。その穴は、
建物の角にあたる部分の各階に穴を開け、そこに糸を垂らして垂直の基準にするためのものでした。
欠陥住宅として大阪府は、延焼した部屋の住民との間で補償協議を始めています。
10年1月、国土交通省の調査では、手抜き工事としており、階上の部屋に炎が噴き上がる恐れのある公共賃貸住宅が全国で536棟(1034戸)あることが、わかりました。
都道府県別の割合をみると、奈良19.3%、山形18.8%、大阪16.5%など。埼玉や神奈川など13県では見つからなかった。補修費用については「業者が負うべきだと考えるが、自治体が負担するケースも多いと思う」としています。
今後は、民間マンションを含め、早急に本格的な調査をしなければいけません。
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大震災などで火災が発生した時の貴重な命綱である、東京23区内の防火水槽が02年をピークに減り続けています。
東京消防庁によると、06年3月末で約2万基あるうち、国有地に使用許可を得て設置しているのは357基、4年間で16基減少。
それは、財務省がつくった有識者会議にて、23区内にある公務員宿舎を10年間で1/3に減らす方針を決めた結果、公務員宿舎の土地を売却する際、国が消防庁に現状回復を求めた為です。東洋大が買い取ったケースでは、「水槽があっても支障はなかった」のです。
この廃止対象物件には23基の水槽があり、半数は木造住宅密集地域にあります。都は「国のやり方は今後の防災対策に逆行する」と指摘。
ただ大規模マンションなどの増加に伴い、水槽の数は増えていますが、都心の一部に偏在しています。
消防庁としては、ポンプ車のホースが届く250m四方ごとに1ヶ所の水槽設置に努めてきました。学校のプールや池なども含めて整備率は97%に留まっています。民有地を間借りした水槽も、相続のために撤去を求められるケースも相次いでいるため、23区では、木造密集地域を中心に300ヶ所程の空白域が残っています。
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火災における死亡率では65歳以上が多いのは以前から見られる傾向です。消防庁の調べでは、06年で58%を占めています。総務省消防庁によると、08年は死者全体の6割を占めた。
NITEが01〜06年度に集めた当事者の年齢がわかる事故を製品別に分析したところ、70代と80代以上で石油ストーブは1位、60代でもガスコンロに次いで2番目に多かったのです。
これは火災が発生するとお年寄りの場合は逃げ遅れたり、消火が遅れたりして被害を広げるケースが多いとされます。
しかし05年からは50代後半男性の死亡率が急増しているのです。
05年では55〜59歳男性の死者の60%が無職でした。そしてその50%は一人暮しです。つまり50代後半男性の火災による死亡者の特徴は無職で一人暮しの孤独な生活者であり、その影にはリストラや離婚などの精神的不安を持ち、人生設計が狂ってしまった結果であるとの指摘があります。
その結果、火事に遭遇すると逃げる気力までもなくしてしまったとの意見が消防庁の見方です。
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