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亜炭廃坑の陥没

08年5月、岐阜県御嵩(みたけ)町の民家で犬走りや生け垣の周辺に陥没が3カ所発生。2カ所は穴状で、そのうちの一つは直径が約40cm、深さが約50cm。現地を確認した県は、廃坑による「浅所陥没」とみられると発表しました。

陥没は06年ごろから発生していたらしく、07年9月には
亜炭廃坑により大規模な陥没が発生しています。住宅の復旧工事は、陥没が特定鉱害と認められたことで、同基金が全額負担する事に。だが、どこまで復旧するのかが争点となり、工事は未着工です。

亜炭は、発熱量の低い石炭の一種。50年以上も前、戦中戦後の燃料不足時代に国策として、地方で燃料として使われていた。国に残っている記録によると、実際の採掘場所は全国広範囲に渡り、106か所に及びます。


年間40件に達する陥没が起きているのが、宮城、山形、岐阜、愛知、岩手、福島の6県。とくに岐阜県御嵩町の陥没被害はひどく、いつ陥没するか分からない廃坑が市街地の地下6割に及ぶという、陥没のリスクにさらされています。

町内では1959年から2001年にかけて、少なくとも
246件の陥没が確認されました。2011年度から14年度の4年間だけでも陥没発生数は19件に及ぶのです。

御嵩町は2002年度から過去の亜炭鉱関係者へのヒアリングや資料の掘り起こしを行い、陥没リスクを示したハザードマップを作成し、2008年に町内各戸に配布しました。

ところが情報公開をしたとたん、
地価が下がり、土地が売れなくなるという深刻な事態も出て、今では一向に対策に乗り出さない町に批判の声も。

そして10年10月,には、御嵩町顔戸(ごうど)の住民から、「地面が陥没し、家が傾いた」と、町役場に連絡がありました。陥没は
東西約50メートル、南北約60メートルにわたり、深さが最大約3メートル。付近の住宅など6棟が傾き、町長は、「これほど大規模な被害は例がない」と語っています。

津波被害などによって影が薄くなっているものの、東日本大震災では11年7月までに、石炭・亜炭採掘跡が原因とみられる陥没が、東北などを中心に
326カ所も確認されていたのです。


町は「
国策として亜炭を掘った結果だから、町に責任があるというのはおかしい」と、矛先を国へ向けています。しかし、管轄する経済産業省石炭課は「掘った事業者が埋め戻すことになっています」と、つれない返答を繰り返すだけ。 

そもそも
50年前に採掘に携わった事業者が今どこに存在しているか不明だし、個人の採掘もありました。  東北、東海、西日本の12の県で鉱害復旧基金を設けているが、これは被害が出た場合に使われます。

対策といっても、埋め戻す以外に策はない。町の試算によると、その費用は1000億円を下らないといいます。

現在、町は亜炭鉱跡が地下に存在すると想定される広大な領域から、防災拠点や避難施設が集中する場所、過去に陥没が頻発した事故リスクの高い場所、二つの工区、計約6万270m2の範囲において亜炭鉱跡への
充填工事を実施中です。二つの工区だけで、約32億円を投じるのです。

町内で進む亜炭鉱跡の充填工事は、町が発注する事業だけではなく、例えば、岐阜県が主体となる工事があります。県は町内を走る緊急輸送道路の多治見白川線で、道路下の充填工事を進めています。

そして、2015年3月には、愛知県春日井市内の公園で、直径約5m、深さ約1mに至る陥没が発生。市は、亜炭鉱跡が原因だと結論付けました。

土地陥没地域に住宅販売

愛知県日進市では、日進市と土地の事業組合が1993年から2200区画の宅地を供給する土地区画整備を計画し、2003年ごろから分譲が始まりました。

しかし2005年に
土地陥没の恐れのある区域があることが分かったのです。この地区は戦前から「褐炭」の産地で60年代まで、採掘が続いていた。その採掘した坑道を埋め戻さないまま、その上の土地が宅地開発され、分譲されていました。土地陥没の恐れを隠して、宅地を販売していたのです。

08年5月、愛知県日進市岩崎町の住民15人は、土地が陥没する危険があることを事前に知らされずに分譲住宅を購入させられたとして、分譲住宅を販売した「積和不動産中部」(名古屋市)に計約5億600万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こしました。

訴状によると、同市岩崎町の土地は地下に
亜炭鉱の坑道跡があることが確認され、95年に陥没危険区域とされたが、積和不動産中部は05年8月以降に15人と売買契約を結び、約4200万〜5200万円で住宅を販売したのです。

分譲住宅地の陥没

三重県津市開発工事を許可し開発した丘陵地の分譲地があります。2006年建て主(A)は1月に積水ハウスと新築住宅の契約を締結し、3月に全額を支払いました。

しかし7月
市道と住宅の一部が半径15m、深さ3mにわたって陥没し避難を余儀なくされたのです。なのに積水ハウスは陥没事故発生後もそのまま工事を進め、住宅を引き渡しました。

そのため(A)は「陥没の起きた地区では、過去に
磨き砂の採掘が行われており、陥没の危険がある空洞域が広がっていることは公知の事実。堅固な地盤まで支持杭を延ばすなど、不同沈下が起きないように配慮すべき義務があった」として、土地開発業者と建築元請け会社をそれぞれ提訴しました。

有識者でつくる津市の調査検討委員会は2006年11月、これまでに進めてきた重力、電気探査や7か所のボーリング調査の結果などを公表し、「軟弱な地盤の上に
盛り土、造成したことが陥没の大きな要因」としました。

2016年7月積水ハウスは、土地の陥没で住宅が傾き住めなくなったのは開発許可に問題があったためとして、名古屋高裁は市に約3100万円の支払いを命じた
1審津地裁判決を取り消し、積水ハウス側の請求を棄却しました。

判決理由は「市が陥没を予見することや、
防止措置を策定することは困難で、注意義務違反はなかった」としています。
ただし、1審判決は「現場周辺地下に空洞があり、
陥没を予見できた。市は安全対策が十分か確認する義務を怠った」と判断していたのです。

その判断理由は、2006年頃、津市半田の土地開発区域で住宅地や道路が陥没しました。現場周辺は明治時代から1945年ごろにかけて砂が採掘され、地下に
坑道跡の空洞があったのです。

2015年には、陥没で家が傾いた住民が津市などに損害賠償を求めた訴訟で、名古屋高裁が請求を棄却し、住民側が上告中です。


また、10年9月、仙台市泉区高森の住宅地で庭の一部が陥没しました。陥没は
深さ1メートル程で、石垣をはさんで隣と隣接して起きていました。
09年10月にも今回の陥没地から数百メートル離れた3か所で没がありましたが、市は、近くの高森公園にある貯水池「高森堤」の水が、
破損した排水管に流れ、水分を含んだ土砂が陥没を誘発したと原因を特定していたのです。

市によると、今回の陥没では排水管に水が流れた形跡はないとみられるが、昨年の陥没と同時期に、地下で陥没が起原因で地上の土が落下した可能性があるらしい。今後は宅地を造成したこり空洞ができたうえで、何らかの不動産会社や有識者らとともに、原因を解明していく予定です。


地下壕の陥没

89年、千葉県で地下壕崩落による中学生の死亡事故があり、安全確保のため必要な措置をとる責任が国にあるとの判断により、国に賠償金支払いが命じられています。

02年10月、東京都日野市三沢の梅が丘団地内において発生した地下壕陥没事故後の05年12月、家屋が傾くなどの被害を受けた2世帯がを相手取り、東京地裁八王子支部に訴訟しました。
訴訟は、家屋復旧に係る費用や慰謝料などの支払いを求めるものです。

また、鹿児島県鹿屋市では、00年に県道下の地下壕が陥没し、車ごと転落して女性が亡くなる事故が起き、現在も
国と県を相手取り裁判中です。

そして09年5月、鹿児島市の住宅地を通る市道の路面が約50cm四方にわたって陥没。深さは約6m。鹿児島市の調査では、道路の下の
防空壕とみられる空洞が陥没の原因だとわかりました。

ここは第二次世界大戦当時、高射砲が設置されていた山でした。この山を開削し、造成してできたのが現在の住宅地なのです。
その後、市では埋め戻し工事を完了しています。今後は、陥没のあった住宅地周辺をレーダー探査してほかの空洞などがないか調べる予定です。

05年4月、地下壕内で中学生4人が
死亡した鹿児島市での事件を機に、政府は全国で「特殊地下壕緊急実態調査」を実施しました。

国交省が09年度に実施した調査によると、戦時中、防空用に造られた地下壕(ごう)が全国の
市街地に9850カ所あり、崩落などの危険があるものは487カ所にのぼることがわかりました。

その中で、地下壕が最も多かったのは
鹿児島県で2813カ所(危険性のある地下壕は49カ所)。関東地方では神奈川県が510カ所(同9カ所)でした。


国は、旧軍が作った地下壕を
「公の営造物」と認めず、国の管理責任はあいまいなまま現在に至っています。

ちなみに、太平洋戦争開戦直後、
京都御所内に11カ所の防空壕が造られていたことが、朝日新聞社が宮内庁に公開請求した保存文書でわかったのです。ただ、敗戦直後、すべてを埋め戻すよう記されていました。

地下壕陥没事故裁判

02年10月、自宅の庭が縦5メートル、横4メートル、深さ3メートルにわたって陥没し、マンションや市営住宅での暮らしを余儀なくされました。そこで、戦時中に旧陸軍が命じて掘らせた地下壕が崩落し、住宅2棟が使用できなくなったのは安全対策が不十分だったためとして、05年に東京都日野市三沢の住宅の所有者2人が国を相手取り、住宅の修理費や慰謝料など計約9350万円の賠償を求め提訴しました。

裁判で国側は、旧陸軍の命令で都水道局が工事を行い、未完成のまま終戦を迎えたことから、「地下壕を所有したことはなく、終戦以後は占有もしていない」などと主張。

10年11月、東京地裁立川支部で判決が下されました。裁判長は「建設当時は地下壕を占有しており、(戦後に)
使用と管理を放棄しただけでは責任を免れられない」と述べ、2人に計約3500万円を支払うよう国に命じたのです。

防災拠点の地下に巨大な空洞

静岡県裾野市役所庁舎の地下に巨大な溶岩空洞が横たわっています。現在の市庁舎を建設していた75年にボーリング調査で空洞が見つかってたのですが、当時は問題ないとして庁舎が建設されました。

市によると、空洞は約1万4000〜1万年前、富士山の噴火で噴き出した溶岩が冷える過程で中のガスが集まって大きな空気の塊ができ、周辺の溶岩が固まってできたものとしています。

空洞の一つは庁舎の地下6〜9メートル付近にあり、最大で東西約80メートル、南北16メートル。高さは最大約2・5メートル、大人が楽に歩き回れるほどの広さがあります。もう一つは地下11〜15メートル付近にあり、正確な形状は不明だが、さらに大きいとみられます。

ところが2005年、市が庁舎の耐震診断を行ったところ、大地震で庁舎は倒壊こそ免れるものの、相当の被害を受ける可能性があることが判明。溶岩空洞を埋める工事は10年7月から始まり、1個目の空洞に充填(じゅうてん)剤を注入して地盤を強固にします。

10年9月には完了予定。2個目の空洞は、1個目との間に厚い岩盤もあり強度が保たれているとして、今回は手をつけないようです。ちなみに耐震工事の総事業費は約7億6000万円だそうです。

隠れた瑕疵

2008年5月、大阪府阪南市の市街地で市道が陥没した事故が起きました。調査により、地中から空洞の貯水層跡を発見しました。

陥没の原因は貯水槽跡の空洞に土砂が流れ込んだこと、と結論を付けました。しかし問題は陥没個所に隣接する住宅でした。

調査を進めると
住宅の真下に深さ3mの貯水層跡をもう1カ所発見したのです。空洞部の天井には大きな亀裂があり、いつ崩落してもおかしくない状況だったので市は、緊急対策工事を実施することを決めました。

市によれば、事故が発生した直後、住宅地を造成した会社に、聞き取り調査を実施したところ、「貯水槽は充てんした」と説明を受けたといいます。造成した会社は
瑕疵(かし)を認めており、そのため市は損害賠償を請求する事を決めています。




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