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一度読めばある程度理解出来るでしょう。その他の類似本も見れます。


















 
遅い対策


2005年10月に「改正耐震改修促進法」が成立しています。国は建物の
耐震化率を今後10年間で90%を目標に掲げています。

又最近懸念されている、
首都直下地震において、最悪の場合、約11000人と予想される死者数を半減させる事や、約112兆円と算出された経済被害額を4割減にするような目標も検討されています。
ただこれは義務ではなく
努力目標であって、個人の財布のヒモに関る問題ですから、どの程度進むのかは疑問が残ります。

文部科学省は2013年4月1日現在の公立学校施設の耐震改修状況調査結果を公表しました。

順位 耐震化率
1 静岡 99.2
2 愛知 99.0
2 宮城 98.7
4 東京 98.2
5 三重 97.5


順位 耐震化率
43 茨城 77.4
44 福島 76.2
45 愛媛 75.6
46 山口 74.8
47 広島 68.6

小中学校以外にも今後耐震化が必要な施設(未診断含む)は、幼稚園975棟、高校4,142棟、特別支援学校311棟が存在しています。

また、東日本大震災において天井落下被害が多発し、落下に伴い致命的な事故が起こりやすいとされるつり天井を有する屋内運動場は、全国の小中学校で6,554棟あることもわかりました。

以上のように、耐震化がなかなか進んでいない状況がわかります。学校は、
災害時の避難所となっている場合が多いなかで、耐震化が進んでいない現状はとても不安です。


首都直下地震の発生が懸念される中、2012年9月、
東京都内23区のうち5区庁舎などが地震での安全性を示す「構造耐震指標(Is値)」で国の基準を満たしていないことがわかりまた。新宿・北区・中野区・渋谷区・江東区となっています。

ただし、ここでいうところの耐震とは、1981年(昭和56 年)に施行された建築基準法での「新耐震基準」です。その「新耐震基準」というのは、簡単に言うと、「震度6強から震度7程度の地震が来ても、建物が
倒壊しないこと」でです。

設計基準の目標はあくまでも「倒壊しないこと」であり、建物の「
大破、中破、小破を防ぐこと」を求めてはいないのです。


国土交通省は07年6月、
マンション耐震化マニュアルを作成しています。
本マニュアルでは、マンションの耐震診断の進め方や費用負担のルール、耐震診断・改修についての補助制度などが掲載されています。

学校が危ない

2011年7月文部科学省は、公立小中学校の校舎や体育館など約11万6千棟について、4月1日現在の耐震改修状況調査の結果を発表しました。東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島3県を除く44都道府県が対象で、平均耐震化率は80・3%と前年から7・0ポイント上昇、2002年の調査開始以来最大の伸びとなりました。

耐震性が不十分または耐震診断を実施していない建物は2万2911棟あり、うち4614棟は震度6強の地震で倒壊の恐れがあると推計しています。

ちなみに、阪神大震災では、神戸市内の
16の小中学校が全壊しました。2008年の中国四川省大地震では、学校の倒壊による犠牲者が多かったのが印象的でした。

2007年7月16日の
新潟中越沖地震では、避難所として使われている体育館2ヶ所が、震度6強で倒壊の恐れがあるとの、信じられない報告がありました。柏崎市の小中学校で耐震化率は66.7%でした。2007年度に耐震診断を予定していましたが、2004年の中越地震で、各自治体は復旧、復興を最優先されてきた事情がありました。

2008年5月、自民党は地震により倒壊の危険性が高い学校校舎の耐震工事費を最大で98%、国が負担するむねの改正をめざすことを決めました。これは
中国四川省大地震で多くの校舎が倒壊し、子供が犠牲になったのをきっかけにしたものです。しかし政府の対応は遅すぎます。

2008年7月24日に発生した
岩手県沿岸北部地震で、岩手県内の文教施設では、窓ガラスの破損、外壁の亀裂、天井板の落下など、県立学校33校、市町村立学校103校、私立学校7校、社会教育施設23施設に被害が見つかりました。青森県八戸市では小中学校38校が被災したほか、市の公会堂と公民館で天井の一部破損などが発生しました。

2009年10月、福岡県田川市の
幼稚園は耐震性能不足のため隣接する小学校の校舎へ緊急移転しました。
鉄骨造平屋建ての園舎は、「軸部ブレースが入っていないため、強度が無いに等しい」として、耐震指標のIs値の測定は不能と判明、「大規模地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高い」と解釈したのです。

これは、少子化で利用しなくなった既存校舎を利用する事で、仮設校舎や補強工事など、
自治体に重くのしかかる費用負担が解消します。


 
2015年会計検査院は20府県616市町村が管理する小中学校8408校を抽出し、2009年度から2012年度までの点検状況と、見つかった不具合に対する14年4月までの是正措置の実施状況を調査。 

その結果、所管する学校すべてで一度も建築基準法に基づく定期点検をしていなかった自治体が36市町村538校ありました。

しかも9市町では一部の学校について未実施の状態でした。点検を実施した300市町村4573校のうち、外壁や屋上の劣化・損傷、
防火設備の不作動などの要是正事項が見つかったのは2438校。このうち是正措置を取っていない学校は2052校に上りました。 

消防法に基づく点検は全校で規定どおり実施していたが、点検で是正を求めた533市町村の6470校のうち、353市町村の3392校で未補修のままでした。 

避難施設としての学校がこの状態というのは、まことにお粗末です。財政よりも、
安全重視の思想欠如がはなはだしいです。

 日本建築防災協会  インターネットで出来る耐震診断です
病院が危ない

全国の8611病院のうち、43.8%に当たる3774病院が1981年の耐震基準を満たしていないか不明であることが、厚生労働省の2009年全国調査で分かった。厚労省が病院の耐震対策に関する全国調査の結果を公表したのは今回が初めて。

対策が不十分な病院の内訳は、耐震性がない建物がある病院数が2693(31.2%)、建物の耐震性が不明である病院数が1081(12.6%)。特に、構造耐震指標Is値0.3未満の震度6強程度の
地震で倒壊する危険性が高い建物がある病院は164(1.9%)ある。

厚生労働省の09年全国調査で、全国の8611病院のうち、43.8%に当たる3774病院が1981年の耐震基準を満たしていないか不明であることが分かりました。

耐震性がない建物がある 2693(31.2%)
建物の耐震性が不明 1081(12.6%)
震度6強程度の地震で倒壊する危険性が高い建物 164(1.9%)

長妻昭厚生労働大臣は10年1月、「実態調査を速やかに行なって対策を講じる」と述べました。
また、地震発生時の医療拠点となる
災害拠点病院と救命救急センターの耐震化率は、62.4%となった。震度6強程度の地震で倒壊する危険性が高い建物がある病院は36(6.0%)あることが分かりました。

内閣府の中央防災会議は、10年度までに災害拠点病院と救命救急センターの耐震化率を71.5%とする目標を定めています。

厚労省国立病院機構の耐震化の状況

現実の不安

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の耐震診断結果調査によると、2006年4月〜2010年6月までに実施した耐震診断(1万5352件)の分析結果によると、23.59%が「倒壊する可能性がある」、61.93%が「倒壊する可能性が高い」と診断されました。

合わせて85.52%が耐震基準を満たしていない結果となり、耐震基準を満たしていない建物の割合は4年間、概ね85%前後で推移しています。
また、今回調査での耐震補強工事の平均工事金額は
約150万円。この要因について木耐協は、「耐震補強工事に合わせて、内装などのリフォーム工事を行う形が浸透してきた影響ではないか」と推察しています。


08年10月、東京都民を対象にした住宅の耐震に関するアンケートの結果です。居住する住宅が持ち家の比率は64.5%、戸建て住宅の比率は52.8%。
「あなたの家は大きな地震に耐えられるか」との質問に対して、22.1%が「思わない」、40.5%が「分からない」と答え、6割以上が
耐震性に不安を感じています。

また、耐震診断や改修をしたいと答えた人は
43%でした。一方、32%の人は「耐震診断や改修をしたいと思わない」と回答。「耐震改修しても大地震の被害は避けられない」「お金がない」などを理由に挙げていますが81年以前に建てた家に住む人の回答が目立ちました。

建築時期を尋ねたところ、1981年以前が31.2%、82年以降が57.5%、分からない・無回答が11.3%でした 。

 財団法人 日本建築防災協会  簡単な耐震診断が出来ます

人による耐震診断では、国が定めた基準をチェックするにすぎない。現実の地震の揺れに対する耐震性能は正直、不安です。
慶応大学の教授により、小型のセンサーを設置して、実際の揺れによる建物の耐震性をチェック出来るシステムを開発しています。これにより、
本当の耐震診断が可能になるわけです。
現在は実験段階だそうですが、実用化されれば、今後の対策に大いに期待が出来ます。

今までの実験データーによると、
実際の揺れは、設計段階での想定とは違った振動が起きているそうです。これにより、現実的な耐震設計の実現が可能になるでしょうし、すぐれた免震、制震装置の開発にも役立つでしょう。又、人の歩く振動さえも感知できるようなので、防犯にも応用出来そうです。

2016年4月の
熊本地震により、新たな問題が出て来ました。
1981年以降に建てられた住宅、いわゆる新耐震住宅のうち、
1981年から2000年の間に危険な建物があることが改めて明らかになったのです。

この期間に建てられた住宅のうち8割超が大地震の際に倒壊する恐れがあるというのです。

熊本地震の調査では、1981年〜2000年の住宅800棟のうち9.1%(73棟)が「倒壊・崩壊」という結果が報告されています。しかし、2000年以降に建てられた住宅のうち倒壊・崩壊したものが2.9%(7棟)にとどまったという結果がでています。

緊急輸送道路沿線の耐震診断

東京都は主要な沿線に、1981年以前の旧耐震基準で建てられ、倒壊すれば道路の半分以上をふさぐ恐れがあるビルが約12000棟あると推定し、対策を検討していましたた。

そこで、10年11月、東京都は災害時の
緊急輸送道路に指定されている主要な通り沿いの旧耐震基準のビルについて、倒壊して人命救助などが妨げられないよう建物所有者に耐震診断を義務付ける方針を固めました。

東京都や国は、災害時の救助活動や物資輸送に優先使用する道路として都内の563路線、1970キロを緊急輸送道路としており、防災上重要な地点から順次、義務付けを実施。耐震診断をしなかった所有者の氏名を公表するなどの措置とともに、現在、行政側が最大8割を補助している耐震診断などへの
補助金の増額も検討しています。

耐震診断の問題点

耐震診断には問題もあります。一般の耐震診断において、手計算だと面倒ですが、耐震診断ソフト(PC)を使えば簡単になります。ただ、いずれにおいても診断結果が常に正しいとは限らないのです。

例えば診断士本人ではなく、耐震や建築の
知識の少ない人が誤った数値を計算式に当てはめた場合、現地調査をせず、想定で数値を当てはめた場合、又数値そのものを誤って記入した場合などが考えられます。

ある耐震診断士によると、結果の異なった複数の耐震診断書を持って訪れる一般の人がいるそうです。複数の事務所に診断を依頼したが、評価がそれぞれ食い違っており、どれを信じてよいかわからなくなり、判断を求めてやって来たらしい。

01年9月、名古屋地方裁判所の損害賠償責任が生じた判例があります。

住宅会社が設計した自宅の耐震安全性について、建築士が無料で相談を受け、構造計算に信頼性がないと回答。建築士が頼まれて再設計したら、当初設計とあまり相違がなかったので、相談者が建築士に工期の遅れと追加費用の
損害賠償を求めたのです。

耐震診断で
細かい調査を 行わず、誤った診断をし、その結果不要な耐震改修を招いた判例です。地震により工事の瑕疵に起因する不具合であるとして、住宅会社に賠償を命じた判決が、阪神・淡路大震災でも出ています。


2013年8月、茨城県神栖市において耐震診断による
偽造が発覚しました。これは、市内の小学校の耐震診断調査を水戸市内の建築設計事務所に発注したところ、請け負った事務所は小学校について適切な調査を行わなかったのです。

しかし、耐震診断に必要な構造計算などを実施したと装い、第三者機関が発行する判定書を偽造して市に提出していたものです。市は設計事務所に対して
損害賠償を請求するようです。


そこで、
最新の技術開発に注目です。

コンクリートのビルは超音波の反響から内部を診断する技術が実用化されていますが、木造住宅の壁の内部は空間が多く、コンクリート用の診断装置が使えないため、木材に破損や傷があるかどうかは推測でしかありません。

2014年7月、三井造船は東北大学と共同で、木造住宅の内部の傷み具合を
レーダー電波で診断する技術を開発。2016年度をめどに検査装置化し、耐震診断に活用できる事になります。

開発した装置は、木材に適した波長のレーダー波を探し出した事により、壁の外から様々な波長のレーダー波を照射し、壁の内部の柱や筋交いなど木材の状況を分析、画像化します。

国土交通省によると、木造住宅は平均
築27年で取り壊されていますが、診断結果を基に定期的にリフォームすれば長く住み続けられる事になります。

補助金

自治体では耐震診断・耐震改修に対して補助・融資を実施しています(国が一部補助)。
その補助対象となる建築物は各自治体で異なりますが、概ね「1981年(昭和56年)以前に建築されたもの」とされているようです。

補助の内容としては、
耐震診断費用への補助が圧倒的に多く、改修には融資のみという自治体が大半です。また、マンション改修の補助制度は28市区でありましたが、利用は25棟だけ。国の目標からほど遠い結果でした。

現在の国の
助成制度は、改修にかかる費用の23%を上限に、国と都道府県・市区町村が折半する仕組みで、個人負担が重いうえ、財政難から助成制度の導入自体を見送る自治体が多く、戸建ての耐震改修で助成を受けられるのは全市区町村の55%の957市区町村にとどまっていました。

マンションの耐震改修では、約2割の351市区町村に限られていたのです。この結果、過去5年で耐震改修に国が計上した予算800億円のうち半分程度しか使われていませんでした。

そこで、戸建て住宅やマンションの耐震改修を促すため、国土交通省が1戸当たり一律30万円を国費で助成する新制度を11年度から導入する事となりました。新制度では全国一律に、戸建てもマンションも1戸当たり
30万円を国費で助成し、住んでいる市区町村に関係なく助成が受けられるようになります。

兵庫県では耐震改修にこれまで最大80万円を助成し、静岡県では全市町で30万〜80万円を独自に助成しており、こうした自治体では、国の助成分と合わせ100万円以上が公費で賄えることになります。

また、
マンションの耐震診断では100万円単位の費用がかかり、居住者同士の合意形成が難しいことから、分譲マンションの耐震診断に、1棟当たり上限200万円を国が直接、助成することになります。緊急輸送道路沿いの商業ビルや賃貸マンションのほか、病院や老人ホーム、保育所など災害時に要援護者がいる施設の耐震診断にも、上限額が助成されます。

これらの補助制度は、
建築確認と竣工検査済書があるものに限られます。しかし2012年6月、東京都新宿区では道路にはみ出すなどして建築基準法に違反している木造建築物に対し、新宿区は耐震改修工事費の補助金を支給することを決めました。

区長は「
法令違反の建物に公費を投入することについては考え方も色々あるが、安全な街を作ることを優先した」としています。区では今後、違法建築物の所有者に対し、建て替え時には同法を順守するという確認書の提出を求めたうえで、助成をすることを決定。

建物の倒壊危険度が高い4地区を対象に、無料で耐震診断を行う事業を実施。ただし、対象となるのは、塀や軒先など建物の一部が道路にはみ出している建物や、同法で定められた道路に接していない建物です。



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