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アメリカカンザイシロアリ

日本では、ヤマトシロアリ、イエシロアリですが、最近日本各地におけるアメリカカンザイ(乾材)シロアリの被害がメディアで報告されるようになってきました。

日本で最初に発見されたのは、1976年東京都で
輸入木材から発見されました。その後は散発的に見つかる程度だったが、00年以降に報告例が急増。

現在では沖縄や九州を始め、本州各地で見つかっています。北限は岩手県と、かなり広い範囲で広がっています。また09年
4月現在、被害が出たのは宮城から沖縄まで24都府県に上る。被害箇所は80数ヶ所ということです。

しかし日本ではアメリカカンザイシロアリへの知識があまり知られていないことや、
被害が急速に進行しないので、発見が遅れることが問題です。

そのため、気付かないうちに被害が広がってしまいます。広い範囲で被害がおよぶ前に、早めに発見、確認することが大切です。

米国では、ハワイ、フロリダ、カリフォルニア、メキシコ湾岸が本場で、数種類が生息しています。地震の多いカリフォルニアでは、カンザイシロアリの被害を受けた住宅が、
中程度の震度で倒壊した例もあります。

アメリカでは、
災害に匹敵ほどの認識ですが、家の価値が下がるとして隠す人が多いのです。また、空き家から広がることが懸念されています。

東京都内では、築30年の木造住宅全体に食害が及び、手の施しようがないためやむおえず
取り壊した例もあります。

東京杉並区のある商店街で調査した人の報告では、商店街の軒先のあちこちにアメリカカンザイシロアリの特徴ある糞が散乱し、被害の深刻さが見えたようです。

アメリカカンザイシロアリの侵入

住宅への進入は、空を飛んで、軒先や開口部などあらゆる場所から家屋内に侵入します。典型的な被害は、軒下から天井裏に入るケースです。

湿気がなくても木の中だけで生きられるので、天井裏から床下までの木材、家具、木製品が被害を受ける可能性があります。

そして滅多に
蟻道を作らず、材木の内部を食べながら穿ち、その中を移動するため、目で見ただけではわかりません。木材の表面には一見して異常が無く、どの範囲が侵されているかの判断が難しいため、完全に調べるには、壁や天井をすべてはがして見なくてはなりません。 

被害がある場合、粒状の
乾いた糞が発見の決め手となります。糞は乾燥した砂粒状で、長径約1ミリ、黄色から褐色です。軽く叩いてみて糞が落ちるような材木が生息部です。そのうちに糞が天井からパラパラと降ってきたり、畳をあげてみたら大量に発見されたりします。

基礎断熱は床断熱と比べて、シロアリ被害を誘発させやすいのです。シロアリが、基礎立ち上がり部に取り付けた発泡系断熱材をかじりながら躯体に侵入したり、断熱材と基礎の間から侵入したりするので、被害の進行が分かりにくいのです。

特に断熱材を基礎立ち上がり部の屋外側に設置する基礎外断熱では、蟻道を発見しにくく、被害が大きくなりやすいのです。そのため北海道・東北以外では、基礎内断熱を採用する例が多い。

基礎内断熱の場合、被害の多くは設備配管などのわずかな
欠損部から侵入します。また基礎の打ち継ぎ部も侵入経路になります。

また、侵入対策として断熱材をシロアリに強い無機系のボード材で覆っても、部材の隙間からシロアリは侵入して被害が発生した事例があるのです。

日本シロアリのように土壌を舞台としないので、これまでのような
床下消毒では駆除できません
被害が進んだ段階では、多数のコロニーが同じ屋内でバラバラに活動しています。わずか1本の柱にいくつもの巣があったりします。これが駆除を難しくしています。

現在、このアメリカカンザイシロアリに最も有効とされているのは、家屋全体をビニールシートで覆って、
ガス薫蒸処理です。本場アメリカではこの方法が取られています。

これだと材木内外のすべてのシロアリや生き物はいっきに死滅します。 しかし狭い日本ではこの方法を行うことができません。
もし完全な駆除を考えるなら、
街全体で一斉に駆除を行わなければならず、近隣住民の理解や自治体の努力が必要でしょう。

シロアリの被害例

09年11月、大分市は、シロアリ被害を理由に木造2階建ての「道の駅佐賀関」物産館の閉鎖を決めました。市は、建物全体にシロアリ被害が及んでいるため、倒壊のおそれがあると判断したのです。

市建築課が、検査を実施した結果、土台や柱で被害が大きく、梁にまで被害が及んでおり、平屋部分の棟木や2階の柱にシロアリの巣が確認されたました。

調査に立ち会ったシロアリ駆除会社が市に説明したところによると、この地域は同市の中でもシロアリの
多い地域だという。

在来種の
ヤマトシロアリとイエシロアリも怖い存在です。彼らは、地中から這い上がり、土間コンクリートでさえも、クラックや隙間から侵入してきます。防蟻処理すればいいけど、堅いヒノキやヒバを使えば薬剤処理は免除されると思い使用すると、安心ではありません。ほかに木がないと食べる事があります。

また、
イエシロアリの食害を受けると、木造住宅は引き渡しからわずか2年程で大きな被害を受ける事例が多く報告されています。イエシロアリによる食害の特徴として、侵入からかなり短期間で主要構造部が被害を受け、大規模な食害に発展します。材の内部への侵入経路になるのが、金物部分や継ぎ手・仕口部分です。

玄関が危ない

最近では主に不同沈下対策としてベタ基礎を採用する住宅会社は多くなっています。ベタ基礎はシロアリ被害の軽減効果をもたらし、エシロアリやヤマトシロアリといった地中に巣を張る「土壌性」のシロアリが、物理的に侵入しづらくなりました。

ただ安心は出来ません。一般的な玄関まわりでは、玄関の床は外部のポーチとほぼ同じ高さで、ポーチと同様にタイル仕上げなので、下地として土間コンクリートを打ちます。

この時、ポーチから玄関の床までをいったん
土で埋め戻し、その上に無筋の土間コンクリートを打ちます。この下の埋め戻し土が問題なのです。シロアリには格好の侵入経路になってしまうのです。

さらに施工における注意として、木造の建築現場には木くずやおがくずが付き物ですが、それらを掃除せずに放っておいたり埋め戻しの際に混ぜてしまったりすると、
その木くず・木粉がシロアリを呼び寄せる「餌木」になってしまいます。



シロアリを防ぐ

シロアリは雑種性昆虫で、木材だけでなく、時にはプラスチック、コンクリート、或いは柔らかい金属をも害を受ける事があるようです。又、断熱材を好む傾向があるらしいので、床下の断熱材や、残材が残されていたりすると、危険です。

防蟻性のある薬剤を散布する方法は以前からありますが、現在日本しろあり対策協会が認定している薬剤において、
健康被害は昔よりは減っているようです。

ヒバ油や木酢液など、自然のものを利用した薬剤を使うこともあ
りますが、雨により、効果が半減することも考えられます。
防蟻剤を使用するとしても、その効果はせいぜい5-10年と考えられているため、
定期点検が必要でしょう。床下や天井裏に点検口が無い家は点検や駆除が大変です。

また、土台をヒバ、ケヤキなど、硬い材にすると、耐蟻性が高いといわれていますが絶対ではなさそうです。

物理的な方法としては、
土間コンクリートを打って、土中からの侵入を防ぐ。基礎高40cm以上。外壁下端に30mm以上の水切り(蟻返し)。

シロアリの分泌物に侵されない
ステンレスメッシュを基礎の周囲及び配管の周囲に隙間なく敷設するなどの対策が考えられます。

しかし、アメリカカンザイシロアリの対策は難しいでしょう。

そして、外壁では現在、サイディング仕上げの乾式工法が主流です。しかし現場では、透湿防水シートを張る順序を間違えたり、シートがたるんだ状態のまま工事を進めてしまうなど、
初歩的なミスが多く、それが壁内の結露を誘発しています。

雨漏りのように見えて、実際は結露被害の疑いが濃いトラブル例は結構多いのです。このように
木材が湿って腐朽し、そこをヤマトシロアリが食べるというパターンがやっかいなのです。施工ミスをなくすこともシロアリ被害をなくす事に繋がります。

シロアリ探知犬

日本でただ一匹だけの「シロアリ探知犬」、ビーグルの「ノア」。06年に米国フロリダ州の職業犬訓練施設から日本へやってきました。

小さな穴を開けたサンプルケースを複数置き、一つにだけシロアリの巣くった木片を入れてみます。すると「ノア」はサンプルケースの穴に鼻を突っ込んで探し回り、正解率は100%で当てるのです。

シロアリが木を消化する際、メタンガスが生じます。仲間に何かを知らせるために各種のフェロモンを発生します。そうしたシロアリ特有の微弱なにおいをノアが、かぎ分けているらしいのです。種類に関係ないシロアリ共通の特徴だといいます。

シロアリ探知犬は、米国やオーストラリアなどで400匹程度が活躍しているようです。

食害の裁判

08年9月に完成した長崎県内の注文住宅に建て主は引っ越しました。しかし同年11月までにヒラタキクイムシの食害が始まり、1階と2階の床材が共に被害を受けました。

床材は建て主の要望で、主要な床材としてナラのムク材を採用。建て主は 食害を瑕疵と主張し、工務店が民法に基づく
瑕疵担保責任を果たすことを求めて、09年8月、長崎地方裁判所に提訴。

一審で工務店は、ヒラタキクイムシが住宅内へ飛来したのは引き渡し後である可能性が高いことや、ナラのムク材を採用するよう指図した建て主に食害の責任があることなどを主張。自らの賠償責任を否定したが、10年2月に敗訴。

工務店は控訴してほぼ同様の主張を繰り返したが、再び敗訴。 そして、最高裁判所が上告の不受理を決めたことで2010年12月3日に確定し、食害のあった床材の張り替え工事費に相当する
損害賠償を、建て主に支払う判決となりました。賠償額は約250万円に上ります。



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