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限界集落は都市の中まで侵食しつつある。駅前の商店街がよい例でしょう。
今は核とされる大型スーパーや郊外のショッピングセンターにおされて人通りが少なくなった商店は、後継ぎがサラリ−マンとなり、又、店舗付きの住宅も手狭になり、子育て世代は広い部屋を求めて出て行くことに。店内には残されたお年寄りがドンと構えている。これでは益々人が入ってこない。
そして後継者が居なくなるので、店をたたむしかなく、シャッター通りの出現となる。そして土地、建物を売るにも売れない状況となるのです。
団地やマンションも同じ経過を辿る。手狭になり、子育て世代は広い部屋を求めて出て行く。お年寄りだけが残されている。そして、管理機能がマヒした途端、団地やマンションはスラム化への坂道を転がり落ちていく。
お年寄りはそこから出て行きたくはないのです。国交省のマンション住民への意識調査によれば、その半数が「マンションを終の棲家にしたい」と答えているからです。
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分譲マンションは今や500万戸を越え、うち築30年以上は73万戸で今後毎年10万戸のペースで増えています。日本全体の人口が減少傾向にあるにも関わらず、どんどんマンションが建設されています。
個人が所有するのは住戸の内部だけ、建物の外壁や柱、エレベーター、廊下などは共用部分であり、全員の所有となります。それを全員で管理修繕しなければならない。このマンションの区分所有権が建物の維持を難しくしています。
日本で建て替えを実現したマンションは、特例を認めた阪神大震災の被災地を除いて全国で40例ほどしかありません。
その40例の共通点は、敷地に余裕をもって建てられたため,建て替えに際して新たに分譲する住戸を追加出来、その売却代金が、既存所有者に経済的な負担課す事がなかったのです。
ところが、その後のマンションは居住面積を規制一杯使っているため、建て替え時に新たな住居を分譲出来ずに経済的負担を強いられます。
それどころか建築基準法が改正されるたびに、今よりも小さな建物しか建てられないことが事実としてあります。これでは所有者の合意が得られません。
東京都の調べによると、築30年を超えて建て替え時期を迎えるマンションは、2010年には都内だけで4000棟に達します。このままでは居住に耐えないマンションが出現し、街中にスラムが出現するのです。
建て替え合意の難しさもスラム化に拍車をかけています。
都内にある築27年の、あるマンションでは、修繕工事が進みません。今まで適切な修繕工事をしなかったため、屋上や外壁のひびから雨水がコンクリートに浸入し、給排水管にも汚れが溜まっていました。
しかし、工事費を見積もったところ、修繕積立金では賄いきれないことがわかったのです。そのためには、各所有者が負担するか、借り入れする事になります。
ところが、高齢者世帯と賃借人に貸している所有者は、新たな出費に反対。マンションは所有者の多数決でしか議決できないため、今後も難航が予想されます。
これが新たなスラムの始まりなのでしょうか。
そしてマンションのスラム化は、建物が古くなったから起こるのではなく、人間が住まなくなった時に始まり進みます。
都市の郊外に林立したマンションの中から、新しいマンションが出来るたびに若者が郊外から転居し次第に入居者が少なくなり、空き家が増える。又残った者達は高齢化が進み、入居人が亡くなった後には入る人もなく次第に入居者が少なくなり、それにより管理費が集まらず、管理や修繕ができなくなりスラム化・廃墟化、そして単なる大きなゴミの塊になるという過程が現実になりつつあります。
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場所は九州、博多。駅から徒歩10分程度の所にある分譲マンションの悲劇です。73年に竣工した130戸の9階建てですが、バブル当時所有者の7割が部屋を賃貸としていたため、大半は管理に無関心。
そんな時、管理人と管理組合の役員がマンションを高く売ろうと計画。その話しにのらない人に待っていたのは嫌がらせ。廊下や階段の清掃がされなくなり、果ては暴力団の発砲事件まで発生。
そのため不動産業者の買収に応じる人が増え、結局97戸が買収されました。がしかし、その不動産会社は管理費を払わなかったため、料金滞納に陥り、電気がストップ。部屋の電気は電力会社と個人契約し復旧出来ましたが、エレベーターはストップのまま。水道はタンク車を頼み1階から汲み上げ。
不動産会社には、管理費滞納分の支払いを求め、裁判で勝訴したものの、業者は倒産。その後買収された部屋は複数の企業を転々。その間、建物はゴミであふれ、空家にはホームレス、不審火や部外者による自殺場所ともなったのです。
現在は福岡の会社が多数の部屋を所有し、電気、水道も再開させ、ゴミも片づけたが外壁の汚れはそのまま。しかし、この会社も東京のデベロッパーから買収の話しをもちかけられ、残りの人も応じる予定でしたが、08年の不動産の悪化により、デベロッパーがその買収話しをキャンセルしたのです・・・。
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そして、スラム化の問題は、決して老朽マンションに限って見られることではありません。
大規模、あるいは超高層マンションなどは、修繕費用が驚くほど高額になります。上階と下偕の所得層は違います。いくら自分のところだけはと頑張っても、回りの生活水準が下がってしまえばマンション全体の価値が下がりますし、全員が定期的に修繕費を出せるのかは疑問です。将来計画が甘いとうまく修繕ができなくなります。
特に賃貸オーナーは管理に無関心な人が多い為に賃貸オーナーがいるマンションでは管理費や修繕積立金の滞納が増えてトラブルになるケ−スが多いのです。
今後、建て替えができずにスラム化する可能性があるマンションは非常に多いと言われています。
困難ではありますが解決策の一つとしては、区分所有権を解消し、建物を解体して土地を売却する処理方法が考えられます。
しかしその解体費用さえ出ないマンションもあるでしょうが、その場合は、解体費用の公的支援の必要性という社会問題に発展するかもしれません。
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