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耐震実験

防災科学技術研究所はE−ディフェンスという世界最大級の地震実験施設で06/1/13に、1970年代に建てられた6階建てのマンションの耐震強度についての実験が行われました。

 防災科学研究所  E-ディフェンスの詳細が見れます。


実験では
震度6強を想定して行われましたが、新耐震基準が施行された1981年以前の仕様であるために、1階の柱は壊れ鉄筋が剥き出しになり、折れ曲がっていました。又耐震壁は斜めに裂け目が入っていました。

これにより、新耐震以前の建物は、阪神大震災級の地震で倒壊する恐れがある事が改めて確認されました。横で見ていた専門家の口からは「地震力は1階部分に与える破壊力が
想定よりも強い事がわかった」と。

この実験を機に、地震対策に役立てるよう、期待したいです。人間はまだまだ地震の事があまり理解出来ていないのです。(建築構造に関しては
建物のページをご覧ください)

又、07/3/29には、
長周期地震動の実証実験が行なわれました。高さ100m、30階建てビルの最上階2階分の実物大のものを水平方向に揺らしました。地震の想定は震度5強とし、ひと揺れの一往復を3秒に設定。揺れの継続時間を3分として実験すると、40秒後から揺れが大きくなり、室内の冷蔵庫、食器棚、そして250kgもあるアップライトのピアノまでもが、次々と倒れて行ったのです。そして、揺れが収まったのは4分以上もかかったのです。

その後08年3月には、21階建て(高さ80m)とほぼ同じ揺れ方をする鉄骨ビルを造り、
長周期地振動で揺らしました。その結果柱と梁を溶接した溶接部分がちぎれたのです。

そして、07年9月27日、
阪神大震災と同じ規模の揺れによるビル建築の耐震実験を行ないました。建物は、建築基準法に定められた基準を満たした4階建でした。
結果は、揺れ始めから約10秒後に
1階の柱全6本が折れ、1階部分が横に傾き壊れたのです。阪神大震災級の地震はどこで起きてもおかしくない状況です。安心が出来無い事を改めて確認させられました。


また08年11月と12月の2回にわたり
伝統的な建築技術を使って建てられた木造住宅を試験体とした実大振動実験が行われました。実験に用いられた地震波は、阪神大震災と同じ規模。

この建物は、土壁とし、建築基準法の求める耐力壁量をギリギリで満たしている。偏心率は約0.3。ただし1階柱脚にホールダウン金物などを取り付けてなく、1階梁の火打も設けていない、柱脚部を固定していないなど、一部に建基法の仕様規定に合致しない部分があります。

実験では、 大きな横揺れを受け、建物は大きく揺れ、
隅柱を引き抜きました。07年に行われた伝統木造の振動実験では、柱は基礎に固定されていなかったため柱が束石の上で滑り、免震構造のように地震波の入力を抑制しました。一方、今回は長ホゾで土台に落とし込んだため、水平方向の力が建物に伝わり、それが柱が浮いた原因のようです。


09年10月には
3階建て木造住宅の耐震実験では、震度6強で、揺れに耐えると考えられた「長期優良住宅」の基準を満たす住宅が倒壊したのです。
ただ、その時は同時に2棟の実験がありました。試験体1は
倒壊した基準を満たす住宅、試験体2はほとんどの部分が試験体1と同じですが、柱頭柱脚の金物のみを弱いものにしていました。、試験体2にはホールダウン金物が存在しないことです。実験結果は、想定とは真逆で、試験体2は倒壊しませんでした。

報告では、試験体2の挙動について、「最大で330mm程度滑る挙動を見せた」としています。試験体1の柱脚は抜けず、試験体2は
十数秒で抜けました。
E-ディフェンスの振動台は頻繁に用いられるため、試験体は振動台以外の場所に鉄骨の架台を置き、その上で制作するのが常。実験前に架台ごとクレーンで吊り上げ、振動台に載せます。こうした実験の都合上、実験では基礎が再現されていませんでした。

ですから、木造住宅の基礎の立ち上がりの厚みは12cm程度が一般的。そこを踏み外せば、柱の下端は基礎立ち上がりの下、つまり地盤面に落下することになるのです。転倒する可能性も十分にあります。


そして、11年1月、E-ディフェンスで柱脚を地面に固定しない
「石場建て」を用いた伝統的木造建築の振動実験が一般公開されました。今回の試験体は延べ面積約160m2の総2階建て。

実験では、極めてまれに発生する大地震と考えられる人工地震波。その結果、1階の土壁がせん断破壊して最大で層間変形角18分の1まで変形したものの、主要構造部は折れなかったのです。

実験検討委員会は「土壁を塗りなおせば性能回復が可能な状態であり、今回の試験体が建築基準法の設計要件を満たしていることが確認できた」と結論。

柱脚部分を地面に留めつけなければ、大きな揺れが生じた際に柱脚が滑り、
免震機構のような効果があるとされます。この振動では、柱脚は長辺方向に46mm。短辺方向に40mm移動したことがわかりました。

免震構造

免震構造の特徴は、地震のエネルギーを吸収する媒体として、積層ゴムを使用し地盤と建物を分離して揺れを少なくすることです。

現在ではゴムシートと鋼鈑と樹脂を交互に重ね合わせた複合材料など、色々な物が免震構造として提案されています。 


円柱の免振構造は70年代、フランスで開発され原子力発電所など

に採用されました。日本で第1号となったのは、1983年千葉県八千代台住宅
に採用されましたが、建築費が高く、なかなか普及しませんでした。

しかし95年の
阪神大震災後から徐々に採用され始め、05年末、ビル約1700棟、住宅8千棟にまでになりました。


その力が試されたのは、04年の
新潟中越地震でした。震度6強の小千谷市では多くの建物が倒壊しましたが、当市唯一の免振ビルだった、老人保険施設(5階建)では、ケガ人一人もなく、棚の食器類も散乱しなかったのです。直後には避難場所にもなりました。建物に設置されていた地震計から、揺れは約4分の一程でした。

今も免震構造に対するニーズは多くなっています。特に今現在
使用中の建物を居ながらにして
免震構造に改修したいと言うものです。現実にそのような工事は結構行われています。

本格的な免震改修は東京上野の
国立西洋美術館で、阪神大震災後に免震構造に改修されています。

超高層ビルの免震第1号となったのは、1999年宮城県仙台MTビル。

東京では杉並にあるマンションです。地上28階建、高さ93mで、施工は竹中工務店。
最近では、免震構造を採用しているマンションは珍しくありません。東日本大震災以後は、免震構造を前面に出して、売りとしています。


2010年東京・丸の内では
東京駅丸の内駅舎で、1945年の東京大空襲で焼失した3階以上の屋根や外壁を復元し、ドーム屋根を備えた創建時の姿に戻す、保存・復元工事が完了。構造体は、免震工法により保存しています。

ところが2015年3月に、このゴムを使った免振装置の偽装問題が発覚しました。 
欠陥ー面しゴム偽装問題


究極の技術は
3次元免振と呼ばれるものです。従来のいわゆるゴムを使用する免振装置は地震の横揺れには強いのですが、直下型地震における縦揺れに対しては弱点があります。それに対応してゴムの下に縦揺れに強い巨大な空気バネを付け加える事により、弱点を克服する装置で、RC造3階建ての世界初のプロジェクトが2011年東京都杉並区で完成。

構造計画研究所と清水建設、カヤバシステムマシナリーが共同で開発し09年に
大臣認定を取得。これは、積層ゴムの下に組んだ鉄骨架台を空気ばねが支える構造です。 建物の規模や免震装置の据え付け位置に応じて、水平方向と上下方向とでそれぞれ最適な仕様の装置を組み合わせられる利点もあります。

現在では、3次元免震装置の価格は従来の免震装置と比べて2〜3倍、メンテナンス費用も2倍ほど掛かりますが、それでも、揺れを抑えなければならないデータセンターや博物館などに導入できる可能性があるとみています。


この他に、「家を宙に浮かせる」という 
ツーバイハウジングによる新しい考え方のエアー免震工法があります。
仕組みは、地面に接する土台の上に、さらに空気の注入穴が開いた土台を乗せます。地震の揺れを感知するとセンサーが作動し、コンプレッサーによりエアータンクから圧縮空気を2つの土台のわずかな隙間に吹き込みます。

すると、瞬時にホバークラフトのように上部の
基礎を浮かせて地震の揺れを建物に伝えにくくします。このエアー免震住宅では地震の揺れを1/20以下にすることが出来るそうです。

工事費用は従来の免震装置費用の 約1/2、さらにエアー免震住宅なら何度地震が起こっても建物の構造体が損傷を受けることもほとんど無いという利点もあります。

また、通常は基礎上部と底部が重なって建っているので免震構法による台風の影響はほとんどないのです。今後期待出来る工法です。 

そして10年6月、防災科学技術研究所 の
実大震動実験で効果を実証しました。木造2階建ての実験棟を用意し、阪神・淡路大震災の最大加速度より大きな940ガルの加速度が、26ガ ルに低減できるといった効果が確認できました。同社は、「加速度が大きいほど免震効果が高く、体感上は震 度1程度に低減できる」と話しています。


08年12月、Eディフェンスで
免震構造耐震構造での複数の地震波を用いた実験を行ないました。阪神大震災級の直下型地震波では耐震構造の内部が大きな被害を受けました。ところが長周期型地震波では、免震構造の方が大きな揺れ幅にさらされました。

免震構造は
「減衰機構」なので、周期の合致した長周期型地震を受けたとしても、ある程度エネルギーが減衰すると考えられていました。多少は減衰するものの、長周期型で何度も何度も揺れ続けると、最終的には大きな振幅となってしまいます。
免震構造だからといっても、地震動によっては被害を受ける可能性があるのです。

また免震構造の短所としては、大規模工事が必要なためコストは大きく、軟弱地盤では使用できない事。さらに定期的なメンテナンスが必要であり、リフォームの際には、基礎からの改修が必要なため、コストがかかります。

10年12月、大林組は都市全体の免震化を可能にする
「ゼリー免震」の構想を発表。500m四方の敷地の外周に、幅5m、深さ約100mの切り込みを入れて絶縁。切り込みが周辺からの地震波の伝播を遮断し、敷地内の地盤が変形することで、その上にある都市は地震の揺れが伝わりにくくします。

都市を丸ごと地震に強い構造に変えるのです。また、都市に水路を通すことで、広大な水のネットワークを実現できるというメリットもあります。

11年8月、長周期地震動を抑える
米国製の免震装置を組み込んだ鉄骨5階建てを、東日本大震災の地震波で揺らす実験が行われました。
実験は、防災科学技術研究所が米ネバダ大と共同で行い、宮城県岩沼市で観測された震度6弱の横揺れを約3分間再現。

建物は円を描くようにゆっくり動いて地震動を吸収。室内の固定されていない家具も倒れませんでした。揺れの加速度は半減し、免震の効果が証明されました。

日本の免震装置は建物の底に敷いたゴムで揺れを吸収する仕組みが主で、ゆっくり揺れる長周期地震動に弱いとの指摘があります。今回の装置は、建物底部の支柱が振り子のように動き、長周期地震動も軽減できるのです。

部分免震

大地震から文化財をいかにして守るか。10年9月に完成した奈良の「東大寺総合文化センター」ですが、11年秋予定の正式オープンの際には、1階中央部にある展示室に、国宝の日光・月光両菩薩像などの塑像群を安置する計画です。

建物全体を免震構造にするのがベストですが、条件が厳しく断念。 そこで採用したのが
「部屋免震」という手法でした。建物の内部に、免震装置の付いた独立の箱を入れ子にする仕組み。

日本では、免震と言えば積層ゴムですが、積層ゴム支承を利用するには軽すぎたのです。採用した装置は米国EPS社製の
摩擦振り子支承(FPS)。地震時に支承内部の球面上を、スライダーが振り子の軌道を描くように滑る仕組みで、摩擦によって地震のエネルギーを吸収。球面の曲率半径だけで固有周期が決まるため、支える構造体の重量によらずに周期を長くできます。

免震装置は、直径約45cmで、厚さはたったの14cm。運送費込みの価格は1基当たり
約31万円にすぎません。施工も比較的容易で、日本の免震技術の革新につながる可能性があります。

制震構造


制震構造にはいくつかの種類があります。
左の図は建物最上部に水や重り等を設置して
反力で地震時の揺れのエネルギーを減らすものです。コンピューター制御によるものもあります。

ただこれらの方式は
中規模地震や風力に対しては有効ですが大地震の場合は制御の限度を超えると考えられています。

鹿島と三井不動産は、主に長周期地震動の
揺れを半減する制振技術を実用化し、東京都新宿区の新宿三井ビルディングに初採用します。

方法は、超高層ビルの屋上に巨大な重りの付いた
振り子を載せるもの。55階建ての三井ビルの屋上に、建物総重量の約3%に当たる計1800tの重りを載せます。

鉄骨のやぐらを6基組み立てて、それぞれに
300tの重りを長さ8mの鋼製のケーブルで吊るすもの。重りの最大振幅は約2mで、全方向に自由に動けるようにする。地震が発生したときは、重りをスムーズに減速させ、過大な変形や損傷を防ぐために、重りの周囲にはオイルダンパーを取り付けます。

従来の超高層でも、屋上に載せた1つ50t程度の重りを建物の動きと逆方向に動かして、風揺れなどを抑える技術はありました。しかし、長周期や直下型の大きな地震エネルギーを吸収する程の巨大な重りを揺らす技術がありませんでした。

新宿三井ビルは東日本大震災の長周期地震動によって、水平方向に片側で
最大1mの揺れが2分間続きました。今回の対策により、揺れ幅を最大40cm、継続時間を20秒ほどに抑えるようです。

当初の計画では、建物各階の外周の窓際にオイルダンパーを設けて制振する方法を検討。しかし、テナントの有効床面積が減ることや工事中の影響、眺望の悪化などから断念。

結果、屋上に巨大な振り子を載せる技術の実現によって、オイルダンパーの設置を5〜10階の低層部のコアまわりに限定しても、十分な制振効果が得られることを確かめたのです。総工費は
約50億円で、工期は2015年4月末。

又、東日本大震災で揺れがTVで紹介された、東京・西新宿の新宿野村ビルで、1基700トンの同装置をビル最上部に2基設置し、揺れの大きさによって、2段階の制振機構を働かせることで建物が揺れる時間を半減し、最大変形を1〜2割低減する計画です。工事費は
約20億円。2016年9月に竣工予定。

上図の制震構造に対して右の図の方式は、主要な柱・梁よりもわざと

弱い構造(鋼鈑など)を設け、主用構造よりも先に降伏させて、そこで
地震のエネルギーを吸収
させようという制震構造方式です。

利点としては、あらかじめ損傷ヶ所が特定されているので、点検や補修が容易
であることです。


現在は、この制震構造方式が多いです。









さらに今多くなりつつあるのが左の図のようなオイルダンパーを使用する制震構造方式です。


これは、ピストンとゴムを組み合わせたタイプの制震構造です。
地震時に変形が起こると内筒が外筒に対してピストンとして働きゴムに伝わり地震時の揺れの力を減らす事が出来ます。

東京の新宿センタービル(55階)では、「長周期地振動対策として08年10月から超高層ビルとしては日本初の耐震補強を行なっています。
15〜39階の288ヶ所に制振装置を数十億円かけて取り付けます。「対策費は被害に比べずっと安くつく」とのこと。


09年5月、大林組は地震時の建物の揺れを低減するアクティブ制振技術(ラピュタ2D)を実用化させ、同社の技術研究所新本館で採用し、10年8月の完成をめざしています。従来の免震システムが建物の揺れを3分の1から5分の1程度に減らすのに対して、新技術では免震技術に改良を加え
30分の1から50分の1にまで減らせるといいます。

防災科学技術研究所は、09年9、10月、
超高層建築が地震で大きく揺すられた際、建物に取り付けた制振装置によって揺れを抑える効果があることを実大実験で確認しました。

試験体は1980年代に数多く建てられた、22階建て相当の鉄骨造超高層建築をモデル化したものです。結果として、3分の2の高さまで制振装置を設置すると、性能は
格段に向上するといいます。

大阪府咲洲庁舎では、292台(146カ所)の制振ダンパーを設置するほか、井材などの非構造部材に被害が生じた東京都庁舎でも、2014年に制振装置による対策工事にとりかかります。普及啓発のため、装置の一部を「見える」 ようにする計画。制振装置の概算工事費は約40億円。

東京・東池袋にある60階建ての超高層ビル
「サンシャイン60」は、81年に竣工。新耐震基準と同等以上の耐震性能を持つものの、東日本大震災では片側に最大で80cm、両側では1.6mほど水平方向に変位しました。

2014年3月から2016年9月末まで長周期地震動対策工事を予定。今回はオイルダンパーを低中層に当たる6〜38階の計252カ所に取り付け。

鋼製の弾塑性ダンパーを4〜60階の計228カ所に設け、また7〜39階にある計186カ所の梁にもダンパーを設けます。このように
3種類のダンパーを組み合わせる工法は国内では初めてです。工事費はおよそ50億円。


建築構造に関しては
建物のページをご覧ください


ダンパーの亀裂

11年3月の東日本大震災で宮城県大崎市にあるビジネスホテルの免震装置の鉛ダンパーに亀裂が生じて、取り換えた免震建物があります。周辺のほかのホテルは外壁などが損傷したものの同ホテルは建物に被害がなかった事で、免震建物の効果はあったのでしょう。

ホテルが竣工したのは1998年のこと。天然ゴム系積層ゴム8基とU180型と呼ぶ可とう部の直径が180mmの鉛ダンパー8基、鋼材ダンパー2基を組み合わせて、免震周期4秒を実現しています。

今回の震災で、積層ゴムと鋼材ダンパーに問題はなかったのですが、地下の免震ピットにある鉛ダンパーは、可とう部の上下に
深さ15mmほどの亀裂が生じました。今回は、鉛ダンパー8基すべての交換し、要した費用は、材料費と作業費を合わせて約800万円。

そのほかにも、鉛ダンパーに亀裂が生じた免震建物が全国に少なくとも
30棟あることが分かりました。東京都や神奈川県のほか、大阪府でも亀裂が見つかりました。

東北地方の免震建物では、鉛ダンパーの可とう部の外周に沿って亀裂が生じるなどしていた。関東地方では、鉛ダンパーの表面に亀甲状の微細な亀裂などが見つかり、以前から生じていたひび割れが今回の地震によってさらに拡大し、最大で深さ3cmの亀裂に進展した鉛ダンパーもありました。

日本免震構造協会によると、鉛ダンパーの使用割合はダンパー全体の3割、鋼材ダンパーは同4割ほどを占めるそうです。近年はオイルダンパーが徐々に増えているものの、比較的小型で設置場所を選ばない鉛ダンパーの人気も根強いのです。

福岡の大学教授らの研究によると、鉛ダンパーは片振幅10cmの変形を10回ほど繰り返すと亀裂が発生。さらに、300回ほど振幅を繰り返して初めて破断に至るようです。

このような金属は、昔から
金属疲労が問題とされていました。大地震でダンパーが壊れたら定期点検や、交換が必要ですが実施していないビルもあるようです。建物の主要構造である、鉄骨もそうですが、実際に、柱、梁の鉄骨を点検するには、壁や仕上げを壊す必要性が出てきます。その費用を考えると中々メンテナンスはむずかしいのでしょう。今回のような地震を何度も経験すれば、そのうち大きな問題に発展するでしょう。

日本免震構造協会による調査の結果、鉛ダンパー以外の免震装置でも一部に損傷が見つかりました。 例えば、宮城県にある免震建物では、滑り支承や粘性系ダンパーが津波をかぶって
さびが発生。鉛ダンパーと並んで多くの免震建物に使われている鋼材ダンパーでは、U形に加工した鋼材のロッドの一部に残留変形や塗装の剥離があったほか、ロッドを固定する取り付けボルトに緩みが見つかりました。


ハイレトロ工法

2012年7月、、東京都港区内に建つ築34年の鉄骨鉄筋コンクリート造・一部鉄筋コンクリート造で、地上10階建ての分譲マンションの免震改修が終了しました。

マンションで免震改修を採用する事例は珍しく、建物と敷地境界の間隔が40cm程度しかない状況で採用したのは、小さな揺れから吸収することで、地震時に伝わる加速度や建物の変位量を抑制する
「ハイレトロ構法」

免震装置と制振装置を組み合わせた
ハイブリッド構法を採用したことで、建物の変位量を30cm以下に抑制できたそうです。この構法は三井住友建設が開発したもので、このマンションでは、地震時に伝わる加速度を地面の4分の1程度に抑えられる見通しです。

また、この工法は、
免震階だけで施工できる点も特徴です。柱の上部に装置を設置すれば、上部階での補強工事が必要となります。結果として施工エリアが広がってしまう。

ハイレトロ構法は、減衰こまを用いた制振装置を併用して建物の変位量を抑制。柱の中間部に免震装置を設置できるようにして、上部階の補強工事を不要にしたのです。

さらに、ハイレトロ構法の特徴が、柱を1本ずつ施工できる点です。
工事中の免震階の部分使用を実現しました。

家具の転倒

阪神大震災での死因の一番家具の転倒によるものである事は皆さんもご存知だとは思いますが、問題はどう家具の転倒を防止するのかということです。

タンスなどの大きな家具は、私自身突っ張り棒を使用していますが、心配です。あるときTVでタンスの転倒防止の実験を見ました。なるほどと思ったのですが、まず、タンスを
背後の壁にピッタリと付ける事だそうです。考えてみればそうです。揺れの状態を作らないようにして家具の転倒を防止する工夫です。

そして突っ張り棒を使うのですが、実験では2種類試みていました。突っ張り棒だけの場合と、もう一つは、併用として床の隙間に転倒防止材を挿入する場合でしたが、結果は併用しないと倒れてしまうという事です。皆さんも今のうちに家具の転倒対策を施していた方がいいでしょう。

たとえば09年8月の静岡県沖の地震では、、けが人は237人でした。そのうち
5.8%が物の転倒が原因でした。
東京消防庁によると、08年の岩手・宮城内陸地震で、家具類の転倒・落下によるけが人の割合は45%、07年の新潟県中越沖地震で41%です。

07年、損害保険料率算出機構がインターネットで全国を対象に行った調査では、タンスは80%、本棚は77%、食器棚は76%が固定されていなかった。固定しない理由では
「手間がかかる」が56%で最も多かったのです。


09年10月、札幌市内の古書店で
本棚が倒れて小学生が重体になった事故を受け、消費者庁は、明治大学の協力を得て、10年10月から11月にかけて本棚の振動実験などを実施。

本棚の高さや奥行き、収納方法、床の素材など条件を変えて、倒れやすさの実験を行い、評価基準を満たさない場合に、本棚が浮き上がったり、転倒したりする可能性が高まることを確認しました。

消費者庁が公表した指標で、安全性の目安は、
「棚の奥行きを、高さの平方根で割った値が4を超える」こと、としています。





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