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省エネトラブル

2008年12月において、電力会社や電器メーカーが推し進める省エネ商品「エコキュート」のトラブルが増えています。
空気をポンプで圧縮した熱でお湯を沸かすシステム「エコキュート」ですが、今や
普及率5%といわれています。その売りは「省エネ効果がよく、低コストです。

ところが、国土交通省所管の公益法人、「建築環境・省エネルギー機構」が複数社の製品で実験したところ、工場出荷時の設定のままでは、宣伝ほどの
省エネ効果が無い事がわかったのです。それも、ガス湯沸器と大差ない機種もありました。

省エネモードに切り替えて運転しなければなりませんが、しかしその設定では、ため置きする湯量が少ない場合、急にお湯が必要な時は足らなくなる可能性があります。

また、経済産業省によるエコキュートに対する補助金制度は、08年度はすでに募集が終了しています。

問題はそれだけにとどまらず、九州電力による
宣伝に対し公正取引委員会は、不当表示と認定し、同社に排除命令を出す始末です。また、エコキュートに関する訪問販売も悪質なものが多く、国民生活センターにたいする苦情電話が増えています。

2014年5月、東邦ガスから
エネファームを購入してガスの契約を結んでいた5人は、エネファーム設置後にガス代が大幅に増えたとして名古屋地方裁判所に、5人の設置費用に相当する約1300万円の損害賠償を求めて提訴しました。

原告は2011年にエネファームをそれぞれ約210万〜280万円掛けて既存住宅に設置。東邦ガスは光熱費が年間約4万5000〜5万5000円減るとするグラフをパンフレットに載せていましたが、実際には冬季を中心にガス代が大幅にかさんだのです。

原告Aさんの場合は、年間のガス代は設置後に10万9371円増え、電気代と合わせた光熱費は3万7896円増。原告Bさんの場合は、年間のガス代は7万1665円増え、光熱費は923円増。他の3人もガス代が増えたと主張。

東邦ガスのパンフレットには「エネファームが発電しているときにできたお湯を床暖房に使っていると思うと、気兼ねなく使える」と記載。しかし、Bさんは2013年1月にエネファームを停止しバックアップ給湯器だけを利用。エネファーム運転中のガスの年間使用量は設置前と比べて843m3増えたのに対し、エネファーム停止中の年間使用量は設置前と比べて170m3増えただけだなのです。

「運転中と停止中の差の673m3分をエネファームが消費した。エコロジーな設備とは言いがたい」と弁護士は指摘。現在エネファームを設置している方々も、光熱費が思っていたより、説明されたより減っていない人はたくさん居るかもしれません。

樹木のトラブル

団地によく見かける緑が美しい大きな樹木、しかし住んでいる人にとっては、思わぬトラブルもあるのです。

南に面する大きな窓の前には大きな桜があるため、
日陰になり、また布団も干せないなど。時期により毛虫もつくし、秋は落ち葉の掃除が面倒です。場合により近隣からのクレームにもなりかねない。

設計者としてみれば、緑を多く取り込みたいところです。しかし選定を誤ると大変です。桜やケヤキは成長が早いし、
枝が横に伸びて行きます。相当に広い場所でないと問題がでます。
ケヤキ並木の道路での近隣トラブルは結構あります。植える時には丁度建物と調和がとれていたのでしょうけど。
団地、或は大きなマンションの場合、その木をめぐって論争となりがちです。目の前で
被害を訴える人と、離れていて緑を守ろうとする人々との間に。

しかし、度々の樹木の剪定、虫の消毒などの
管理費用がばかにならない事、建物を補修する時邪魔になるなど管理側としての苦労が予想されます。


また植物の成長により見えない部分でのトラブルも進行しています。ある団地で、排水が悪くなって地中排水管のマンホールを点検した時、配管の中に絡み合った沢山の
を見つけました。
実は、
配管の繋ぎ目から根が時間をかけて入り込んでいたのです。

根を長く伸ばす樹木を雨水、配水管の近くに植えるのは問題あるのです。であれば、配管の周囲に
防根ネットを巻く措置をとるべきでした。

そして近年の大規模なマンションには、メンテナンスフリーをうたう
ビオトーブを配置しているのをみかけます。ただ、特定の植物が極端に成長しすぎて、見栄えが悪いところもあるようです。それに対するメンテナンスもばかになりません。中々理想的な成長は難しいのです。

また、
蚊やボウフラを食べる虫がいないままだと、ヤブ蚊が繁殖し近隣までも巻き込むトラブルをもたらす事もあります。

異臭トラブル

1階が鉄筋コンクリート造の車庫、上層に2階建ての木造住宅での出来事です。異臭があるので住宅調査会社に調査を依頼した結果、鉄筋コンクリート造の1階車庫で外壁に水ジミを確認。

2階床下を確認してみると、1階天井のスラブで水たまりを発見しました。さらに調査を進めると、2階のユニットバスから落ちる排水用の縦管と、1階天井のスラブに敷設した横管との
ジョイントにシーリングが未施工だったために、風呂の排水は漏れ放題。

それがスラブにたまって腐敗臭が生じていたことが、においの原因でした。設備工事と配管工事との
接続部は異工種の作業者間で連絡が行き届かず、見落としも生じやすい」のです。

このほか異臭トラブルでは、天井裏で一面に広がったねずみの糞が原因だったケースもかなりあります。(ケンプラッツ)

高気密高断熱住宅のトラブル

築8年しか経ていない木造住宅で、室内壁の一部で雨漏りによる小さなシミが現れたのをきっかけに、住まい手は修繕を兼ねたリフォームを決意。リフォーム会社がシミの生じた個所周辺の内外装材をはがしたところ、壁内の構造部材や、サッシまわりなどの木材も至る所で腐食しており、蟻害も進んでいました。

事態に驚いた住まい手は、調査に依頼。外壁材をすべて撤去し、構造用合板もはがしてみると、広範囲で躯体の腐食と蟻害を確認できたのです。この住宅は2×4工法の高気密高断熱仕様で建てられていました。

築年数が短いのにこれだけ激しく劣化した元々の原因は、
雨漏りでした。極めて初歩的な複数の施工ミスが重なって壁体内への漏水を招いたとみられます。

高気密高断熱住宅は、壁体内の高い密閉性を確保しているため、壁体内で不具合が起こっても、見た目にはわからないので被害の発覚が遅れがちになります。

高気密高断熱住宅が本格的に普及し始めた当初の時期は、現場の施工者に知識や
技術の差があり、施工品質にもばらつきがあったと言われています。

ハトのトラブル

ハトは、高層階の空き家や留守がちの住戸のベランダの室外機の隙間などに営巣し、フン害をもたらします。
15年ほど前からハトに悩まされてきた千葉県浦安市の12階建て、14棟、1101戸からなる大規模マンションがあります。ふだん住民が出入りしない屋上の、突き出した換気口にハトが飛来し、その周辺にはフンが大量に散乱。

屋上の端部にとまるハトのフンは、ベランダに干した布団や洗濯物を汚して住民を困らせてきました。マンション管理組合では、屋上の塔屋にワイヤーを張ったり、ハトがとまれないように
剣山状の鉄針を設置したり、さまざまな対策を講じてきたのですが、一向に効果は上がりませんでした。

ハト害に悩まされる住戸ではベランダにネットを張り、ハトの侵入を防いでいましたがネットを張るために躯体にアンカーを打ったりするのは建物の保全からは好ましくなく、管理組合としては禁止する方向でした。

そこで採用したのは
鷹による威嚇と鳥が嫌う忌避剤を併用する方法でした。昼間に鷹を飛ばして威嚇効果を狙い、夜には闇に強いミミズクを放つことで、ハトの恐怖感をさらにあおり効果を高めます。

忌避剤は、食品加工用油を用いたペースト状で天然ハーブなどを成分とする無害のものを使用。臭いと羽根についてべたつくことから、ハトが寄りつかなくなるのです。ただ忌避剤だけでは、鳥を寄りつかせないことはできないらしい。

残宅トラブル

住宅会社の廃業や倒産が増える中、定期点検の時期を迎えても、住まい手は誰に相談すればいいのか、わからないまま、数年が経ってしまいます。そのまま放置していると、劣化が進み、不具合に気付いた時には致命傷というケースが増えています。

これを
「残宅」といいます。リフォーム会社では、こうした建物の構造体や断熱仕様の刷新などを伴う大型リフォームが、多いのです。

10年未満の築浅から40年程度の老朽物件まで、さまざまな物件があります。構造体や断熱性能など、
抜本的な改修が避けられない例が目立ち、必然的に工事金額がかさみ、1000万円前後に達するケースも多いといいます。
(ケンプラッツ参照)

太陽光発電トラブル

近年、太陽光発電での火災が懸念されるようになりました。米国で「屋根置き型」から出火してモジュールの側方に延焼した事例が報告されました。

「屋根一体型」の太陽電池モジュールを構成する樹脂の一部が高温で溶け、そこからの滴下物によって桟木が炭化していたのです。

ただ、日本では不燃性屋根材が、延焼を防ぐと考えられてきました。ところが、その出火原因は、太陽電池モジュールの裏に堆積した
落ち葉が“燃料”になっていたのです。それが太陽電池モジュールの側方に延焼することになったのです。

国内でも、風や小動物が太陽電池モジュールと屋根の間に枯葉や鳥の巣があることは多い。

出火する原因の一つがアークです。アークとは、電位差のある2点間で電流が気体中を通る現象を指す。相当の高温になるので、可燃物があれば出火の原因となります。

もう一つが、セルの焼損。これは、太陽電池モジュールに日陰が生じるなどして、一部のセルの発電量が低下した場合です。

セルは直列でつながっているため、発電量が低下したセルにも電流が通ります。その量が多いと、セルに負担がかかり、壊れて発熱して焼損します。これを防止するため、バイパスダイオードという迂回機能がついています。

ところが、使用しているうちにバイパスダイオード自体が壊れ、迂回機能を果たさなくなり、セルからの出火につながることがあるのです。2007年に熊本で起こった、太陽電池モジュールの上に干していた
布団から出火したケースがありました。

また、太陽電池は日が当たっている間、発電を止められないため、火災や地震などの
災害時でも通電し続けるので、絶縁被覆を損傷したケーブルから居住者や施工者、消防隊員などが電撃を受けることが無いようにする必要があります。


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