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鉄骨構造(S造)とコンクリート構造(RC造)とはどうちがうのでしょう。

例えて言いますと
コンクリート構造はお相撲サンが大地にふんばってその重さ、強さで、しっかりと外力に耐える姿です。それに対して鉄骨構造はヒョロっとした人が外力に逆らわずにゆらゆら揺れて外力のエネルギーを発散させる姿です。つまり鉄骨構造はコンクリート構造よりも揺れやすいと言えるわけです。

超高層の住宅は地震の時にはかなり揺れますよ。私自身14階(最上階)に住んでいますので判りますが、なにせ
揺れ戻しがあるので、2度地震を経験しているようでちょっと怖いですね。(自分としては)

東京新宿の超高層ビルが出来た当時、あるビル(3本目だったでしょうか)の最上階レストランでの話しですが、そこの食器は普通より重いものを使用しているようでした。なぜなら、
地震時にお客が慌てないように、少しでも音を出さないようにとの配慮だったようです。

コンクリート構造は構造体が外壁になりますが鉄骨構造の場合は違います。外壁は別材料となるわけですがその場合、地震時に構造体の動きに対して
外壁が追随しなければなりません。


阪神大震災の時には、町中でよく見かける3、4階建ての外壁ALC(巾60cmの軽量コンクリート版)の建物で、鉄骨の構造体そのものは問題無かったのに、
外壁だけが落下していた例がありました。これは大変な事故につながります。

住宅の建物の外壁は防火性・遮音性のために
セメント系の材料が多く使われますが、これらの材料には変形に対する追随性がありません
しかし、安くて良い材料が現状ではなかなk見当たらないのです。








阪神大震災の時にも問題になったのが溶接の不良でした。倒壊した建物の多くに見られました。現在は鉄骨の仕様に対しては厳しくなりました。一つの問題は発注方式にあるようです。

鉄骨やコンクリートはゼネコンから商社に発注される場合が多いようです。ですから
ゼネコンは商社任せになりがちなのです。設計、監理者も又ゼネコンに任せてしまう事が多いのも事実なのです。製作工場及び溶接者のレベルなどは最低でもチェックすべきなのですが。


02年9月、京都府舞鶴市立の小学校において、
77年に出来た体育館の耐震診断溶接不良が見つかりました。
そのため、市内の81年以前の14校の体育館でも検査を行った結果、10校で、溶接不良がみつかりました。柱と梁の接合部で非破壊検査である
「超音波深傷試験」を行った結果です。

81年以後における溶接部の検査は「超音波深傷試験」を採用していますが、
81年以前目視による検査だったようです。ですから、溶接不良が見つかった建物は、当時の基準は満たしていたのです。つまり、溶接や検査の技術がまだ確立していなかったのです。

そのため、これは舞鶴市に限った事ではなく、ほかの地域でも十分考えられることなのです。


他の例では02年11月、東京都北区の事です。鉄骨3階建て住宅の工事現場において、区役所の
中間検査がありました。ところが、検査官は鉄骨の溶接部をみて驚きました。

工場での溶接にも拘らず、応力が伝達出来ないほどのいい加減なものでした。工場は鉄骨製作会社の団体から認定を受けてなかったのです。
しかも、溶接の
検査報告書を捏造していたのです。一般的には、第三者機関の検査会社に依頼することになっています。

よって、この住宅は解体を余儀なくされ、あらためて
認定の鉄骨製作会社による建て直しを行うことになったのです。

阪神大震災では今までに見られない破壊現象がみられました。

それは、
厚い鉄骨の柱材が接合部ではないところでちぎれるような破壊でした。この現象は芦屋浜高層住宅、三宮駅の柱が代表的でした。高層住宅においては、施工業者の素早い補強が印象的でした。

その後の調査で判った事は、破壊は溶接部の近い所で起きていて、
溶接による金属の劣化が原因であるようでした。現在ではその反省から、見直しがされています。

07年9月、現行の建築基準法にギリギリで合致した鉄骨ラーメン構造4階建ての
実大振動実験が行われました。結果、6本ある柱が同時に座屈し、柱頭柱脚が折れ曲がってしまいました。1階は安全柵がなければ間違いなくつぶれていたようです。 実験に用いた地震波は、阪神大震災の際に観測された「震度7」を使いました。こうしたデータを早く実務に反映させて欲しいものです。


いずれにしても、
現状の建築構造計算は過去の地震から色々と学んできたものであり、今後大きな地震があるたびに、国内はもとより、外国まで飛んで行って調査し、その結果をその時々に計算根拠を改定していますので、100%完全な構造計算は何時達成されるのやら。

設計ミス

これは外国の例ですが、07年8月に米国ミネソタ州で起きた高速道路橋での崩落事故の調査報告では、鉄骨連続トラスのガセットプレート(鋼板)部分の破断が見つかりました。その中で、16枚のガセットプレートの厚さが、必要な厚さの半分ほどしかなかった。結果、設計ミスとみています。



塩害

沖縄県国頭(くにがみ)村で09年7月、村道の辺野喜(べのき)橋の橋桁が折れ曲がるように崩れ落ちました。

塩害などによる劣化で崩落する可能性が高いとして、撤去工事に着手する矢先でした。落橋で護岸の一部が損傷したが、人的な被害は出ていません。

橋桁の鋼材には耐候性鋼材を採用し、厳しい塩害が及ぶ環境下で
無塗装のまま使用していたのです。落橋に至った橋の劣化は、主に塩害によるものです。

国頭村の依頼を受けて辺野喜橋を調査した琉球大学工学部環境建設工学科の助教は、同橋が架かっていた河口にリーフ(サンゴ礁)があることと、海から陸に向けて強い風が吹くことが、辺野喜橋特有の条件だったと指摘します。

腐食

11年6月、愛媛県大洲市内の3階建てマンションで、2階と3階の共用外廊下と階段が突然落下。この事故で住人1人が3階の住戸に取り残され、約45分後に救出されました。幸いにもけが人はいませんでした。

建物は1978年に完成した鉄骨造3階建て。戸数は11戸で、うち6戸は空き部屋でした。外廊下は躯体から片持ちで張り出す構造で、幅1.2m、長さ38m。ほぼ全体にわたり崩れ落ちたのです。

片持ちの付け根の
鉄骨部分で腐食が進行しており、適切に維持管理されていなかった疑いがあります。 県は外廊下の落下によって避難経路の確保などができず、建築基準法の規定を満たさない状態になったとみなし、事故当日に建物の管理者に対して口頭で使用禁止を命じました。

管理者は、同建物に居住していましたが、「入居者が少なく
家賃の滞納も多かったため、十分な維持管理ができなかった」とのこと。 維持管理の大切さが分かります。


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